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 私は小屋の中へと退避した。私は一晩中そこに横になって、恐怖の余り気も狂わんばかりだった。閉じた扉の辺りで何度も扇風機の様な猛音が聞こえたが、しかし何物も小屋の中へ入っては来なかった。夜が明けて、静寂が訪れ、私は扉まで自分の体を引き摺って行った。そこには、丁度我々が十時間前に見たのと同じく、周囲に翼を彫り付けた石の神が立っていた!

 私は草の上に横たわっている四人に駆け寄った。自分は恐らく悪夢を見ていたのだと考えた。だが彼等は死んでいた。最悪なのはそのことではなかった。どの男も骨にまで縮んでいたのだ! 彼等はまるで破れた白い風船の様に見えた。彼等の中に、血は一滴も残っていなかった。彼等は薄い皮で包まれた骨以外の何物でもなかった!

 自分を抑えて、私は偶像の近くまで歩いて行った。そこには何か違う点があった。それは以前より大きく見えた———まるで、とその考えが私の心を過った、まるで食事でもしたかの様に。それからそれが、それが纏っている翼の端から滴る細かい血の雫で覆われているのが見て取れた! 

 その後何が起こったのかは憶えていない。私は、〈モラヌス〉号のボートの中で、彼等が推測するに渇きによって気が狂ってしまっていた所を拾い上げてくれた真珠採りのスクーナー船、〈ローラ〉号の上で目を覚ましたのだ。


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