夜の引力



 黒森の〈散歩もの〉のひとつ。やや粗削りだが幻視者の観る夜の光景の中で立ち上がる怪異を存分に描いている。語り手の精神状態と怪異との関連が面白いが、若しブラックウッドやホジスンが似た様な作品を書いたとしたら、最後はもっと別の、何等かの解決を図ったのではなかろうか。



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