真ッ白い殻の中で



 黒森の作品としては珍しく、会話だけによって構成された掌編。戯曲に近いが、発話主が表記されていない為、ジャズの様に極く短い遣り取りが続いて行く内にどちらがどちらの台詞か混乱して来る。アンニュイな破滅的雰囲気はジョン・カーペンター監督の映画『遊星からの物体X』(1982年)のラストシーンを意識したとか。第21回ゆきのまち幻想文学賞(2011年)落選作品で、賞に合わせて書かれた為、雪がテーマとなっている。


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