嗚呼、この大いなる大地! 対流圏を突破して、その儘成層圏どころか 今はまた薄靄の彼方に隠されている星々の世界にまで手が届きそうな 高い、高い、高い空! 遙かなる高層雲の下には幾塊もの積雲の群れ、 そしてまたその下には 妖しき 何処までもうっすらと広がる層雲! 山が、呼吸してゐる! 揃いも揃って真ッ白なとんがった雪の帽子を被った寒々しい山々が、 今またたった一人で他のあらゆる輝きを打ち消してしまってゐる あの天高く傲岸不遜な陽の光に応じて轟を挙げる様に、 一斉に、しかしそれぞれが皆違った風に、 ほーッと白い息を吐き出してゐる! 朝! 今まで何万回、何億回と繰り返されて来たであろう、 しかし今の今まで誰にも未だ知られて来なかった、 冷たい、これが、今日の朝! |