川流桃桜の日々の呟き08年


08/12/24(水) クリスマスのお薦めCD
08/12/01(月) またまた児童ポルノ規制強化?
08/11/30(日) 麻生邸見学ツアー弾圧事件について、続き
08/11/06(木) 麻生邸見学ツアー弾圧事件について
 1)警察側は本当に「再三の警告」をしたのか?
 2)違法行為はあったのか? その1 「公務執行妨害」
 3)違法行為はあったのか? その2 「公安条例違反」
 4)主催者・参加者側の脇の甘さ
 5)マスゴミの黙殺
 6)その後の公僕達
08/08/12(火) どうにも自堕落な近況報告
08/12/24(水)
クリスマスのお薦めCD


 今年もクリスマスの季節がやって来ました。闇が底まで深くなり、血と恐怖の祝祭の中で全てのものが濯い流され、遙か遠くに救済が仄めかされる静かな夜の季節が。以前一度(
06/12/25(月))クリスマスに相応しい小説を紹介しましたが、今年はCDを紹介しましょう。ペンデレツキ(1933〜)の『交響曲第2番』(1979〜80)。その名もズバリ『クリスマス』と云うタイトルの付けられた曲で、クリスマス・イヴに書き始められ、途中『きよしこの夜』のモチーフが用いられています。まぁ巷のクリスマス・ソングとは似ても似つかない、重苦しい悲鳴と怒号に満ちた所謂「現代音楽」なのですが、独り静かに怪奇幻想小説なんぞを読み乍ら聴いてみると雰囲気が出て仲々宜しいのではないでしょうか。CDは現在2点出ています。

こちらは作曲者自身による自作自演盤。ペンデレツキは指揮者としても有名でで、中には結構外れもある様ですが、自身の作品については仲々迫力のある演奏を披露しています。

こちらはNAXOSから立て続けにペンデレツキのCDを出しているヴィト盤。
08/12/01(月)
またまた児童ポルノ規制強化?


 リオで開かれた「第3回児童の性的搾取に反対する世界会議」で、また児童ポルノを巡る規制を強化する協定が結ばれたそうです。法的拘束力は無いので即時の実効性はありませんが、今後また国際的な世論の圧力が高まる可能性もあるので無視出来ません。児童ポルノの画像等の販売・所持等だけでなく、インターネットで閲覧することまで処罰の対象にするのが主眼な様ですが、これについてはまぁ私も詳しくないのでコメントは控えます。気になったのは、「バーチャルな画像や性的搾取の表現」、つまり恐らく主に日本が対象になっていると思われるのですが、漫画やアニメでの性的な児童虐待等の表現までもが規制の対象に盛り込まれたことです。まぁこの話題については国内での児童ポルノを巡る議論でも散々既出なので今更と云う気もしますが、今更なことを言わなきゃならん情況が続いている様なので、少しだけ書きます。鑑賞者側の年齢制限に関してはまた話が長くなるので、今回は成人が鑑賞するものと限定して話を進めます。

 私は明確な具体的被害者が存在する実在の児童を対象とした児童ポルノを規制することに関しては大賛成です。地上から根絶してしまって構いません。明らかに児童の人権が侵害されているからです。ですが漫画やアニメと云った創作上のポルノの場合、人権を侵害される「被害者」も「犠牲者」も存在しません。「ようじょの絵でハァハァするなんてケシカラン!」と云う意見の人もいるでしょうが、だからと云って現実の児童がそれで被害を受ける訳でなし、個人の趣味の問題の範疇内です。

 読売新聞の記事(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081127-OYT1T00378.htm?from=main2)にはこうあります。

 「著名な心理学者であるコーク大(アイルランド)のエセル・クエール教授は日本を名指しし、「英国などでは、子どもの性的な姿態や虐待を描いたマンガも違法としている。日本は実在の子どもの写真を法律で規制しているが、マンガやアニメは規制していない。その結果、問題のある画像が世界中に出回っている」と指摘した。」

 この場合、何が「問題のある」と言えるのかが重要です。アメリカの受刑者のインタビューを纏めたものを読むと、最近の多くの児童性犯罪者が、インターネットで猥褻画像等を入手し、それによって実際の犯罪性のある性行動への欲望が掻き立てられると同時に、世界中に自分と同じ様な嗜好の人間がいる、自分は異常でもおかしいのでもない、自分の欲望は正常なものだとの確信を得て、背中を押されてしまうと云うプロセスを辿っているそうです。このことから、インターネットによって世界中で閲覧可能な児童ポルノの画像は、自殺の情報等と同じく、伝染性があると言えるかも知れません。その意味では確かに児童ポルノの画像には「問題」があります。しかしこれは実在の児童を対象とした場合のことであって、創作上の児童によるポルノに関しては、実際の性犯罪とどう結びついているのかは、今だきちんとした検証が為されていません。

 犯罪心理学を専門にしていらっしゃる福島先生の、この分野の殆ど唯一の学問的裏付けのある著書では、日本の場合、創作ポルノの氾濫が寧ろ現実の性犯罪を減少させている可能性があることが、具体的な比較データを基に述べられています。無論文化的背景の違いにより、諸外国では全く違った受け止め方がされる可能性があります。ですから、基本的に世界中にデータが回ってしまうネット上での話となると、将来的に何等かの国別の規制を設けることが妥当だと云う意見が出て来ることも考えられます。ですがそこまで議論を進められるまでの現実に即した検証が為されているかと云うと、少なくとも一般報道で手に入る情報に限って言えば、とてもそうとは言えないと云うのが現状ではないでしょうか。

 虐待されている児童の保護は何にも増して優先的に扱われるべき問題です。ですがだからと言って、それを短絡的に新たな検閲制度の導入へと結び付けてしまう考え方には、深い危惧の念を抱かざるを得ません。検閲の前に先ず必要なのは、広範な事実に即した具体的な因果関係の収集です。

この本はその充実した内容に関わらず可成り知名度は低い様ですので、取り敢えず読んでみて下さい。
08/11/30(日)
麻生邸見学ツアー弾圧事件について、続き


 逮捕された3人の不起訴処分が決定した様なので、一寸だけ続きを書きます。先日こんな記事を読んだばかりなのですが、その中のこの件りが妙にピッタリ来たもので………。

『今昔の文民統制違反にみる質的相違 第1号解任事件から30年を経て 安原和雄(http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200811272026194)』
 — 国民総抵抗という発想を経済界の人たちにぶっつけてみると、それでは国内秩序が保てなくなるという答えが返ってくる。つまり、下手に国民に銃を持たせたら、それがいつ、だれに向けられるかわからないという懸念を抱いている・・・。 
 栗栖:そういう話なら、お巡りさんの場合だって同じでしょう。いつピストルをだれに向けるかわからない。 

 実際、警官なんて何時何をやらかすか分かったもんじゃないと云うことが今回はっきりしてしまった訳ですが、自衛隊の方も昨今シビリアンコントロールを正面から否定する様な阿呆の存在が続々と明らかになって来たりしていて、一体ここは何処の軍国主義国家なんだと暗澹たる気持ちにさせられます。冷戦後、都合のいい大義名分を失った軍需産業の連中が今度は「テロ」と云う形で、軍隊や軍備の存在が必要とされる状況を作り出すのに躍起になった様に、近年ターゲットの不足に悩む公安部の面々は、点数を稼ぐ為の犠牲者に飢えているのでしょう。まぁ大多数のお巡りさん達は真面目に働いているのでしょうが(と信じたいのですが)、それが容易に悪意の加害者になってしまう体制が出来上がってしまっている様なのが気に懸かります。君が代・日の丸強制に於ける都の職員等についても似た様なことが言えますが、そうした理不尽な組織の内部にあっては、命令とあらば平気で人権も憲法も踏みにじって何とも思わない人材が育ってしまうのではないでしょうか。

 困ったことに、マスゴミは今回も殆ど黙殺。メジャー紙では辛うじて毎日が取り上げていましたが(http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20081128ddlk13040319000c.html)、その筆先の鈍いこと! じゃあ国家権力が暴走し始めたら一体誰が監視したり牽制したり弾劾したり出来るのか………。日本の司法は優秀だとか言われていますが、形式ではなく「法の精神」を活かそうと云う気概に関しては、全体的に極めて無能なんですよね(例えば、違憲判断にまで踏み込んだ判決数の異常な少なさを思い出してみましょう)。一応内部監査とかの機構もあるのでしょうが、警察が警察内部で事を済ましてしまう、と云う形は崩れないので、何処までセーブが有効なものやら………。

 アホな市民が多い様なのも問題ですな。無許可でデモをやろうと、周囲に多大な迷惑を掛けたりしなければ別に違法にはならんのですよ。言論の自由・表現の自由を行使することは犯罪ではありません。「お上の言うことに素直に従わん奴は皆犯罪者か犯罪者予備軍」みたいな反応が結構当たり前に見られてしまうのが、この国の民意の低さ、人権意識後進国を雄弁に物語っている様で嫌になります。こんな国だから、国民をバカにしくさった首相が堂々と何代も続いてたりするんでしょうかね。騒ぎの的のお宅の御主人は、飼い犬の不始末について弁明や釈明どころか何のコメントも発していませんが、無視しちまってもチットモ構やしねえやとか思ってるんでしょうなぁ。いや、それ以前に、こんな事件があったこと自体憶えてないかも………。

関連記事
http://asoudetekoiq.blog8.fc2.com/
http://www.labornetjp.org/news/2008/1227866152718staff01
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200811292354086
08/11/06(木)
麻生邸見学ツアー弾圧事件について


 御存知の方も多いと思いますが、10/26(日)、麻生首相の豪邸を(中には入れないので外から)見物しようというイベントに参加していた方3名が、1人は「再三の警告にも関わらず無届けでデモを行った(東京都の公安条例違反)」と云う理由で、2名が「警官に暴行を加えた(公務執行妨害)」と云う理由で逮捕され、その後も拘束され続けています。実は私、このイベントの参加者募集の告知を事前に『レイバーネット』で見て知っていて、面白そうだから参加してみようかとも思ったのですが、その日は体が空かなかったので諦めました。若し参加していたら逮捕者は私だったかも知れないと思うと、どうも他人事とは思えません。そんな訳で、今回はそれについての所感を少し述べたいと思います。

 さて、YouTubeにアップされた逮捕前後の映像へのアクセス数が合計で15万を超えたそうなのですが、私はこれがまだ1,000以下の時に色々見て回りました。この時は前後関係がいまいちよく把握出来ず、主催者達が記者会見で逮捕の瞬間の映像を解説しているのを見ても(「記者会見/「麻生太郎邸拝見ツアー」参加者3名不当逮捕(http://jp.youtube.com/watch?v=V6X0rVVUMY8)」、「麻生邸宅見学に向かおうとしたら逮捕(http://jp.youtube.com/watch?v=3Uw701vV15U)」)、ブレまくりで正直何が映っているのか殆ど判らず、辛うじて公安部の刑事と思われるアブラギッシュなナイスミドルが「押さえろ!」「取って来い!』「公妨だぞ!」「引っ張れ!」とか叫んでいるのは判ったのですが、果たして実際どう云う経過で何が起こったのか自分で判断出来る程の材料は揃っていませんでした。ですがその後アップされた映像も淘汰が行われて多少解り易くなり、私も幾つか目撃者の証言を読んで回ったりもしましたので、或る程度の整理は出来たと思います。その結果、結局判らなかったことも多いのですが、取り敢えず事実検証の段階で気になったことを簡単に何点か書いてみましょう。事件そのものについての詳細は他の所で色々書かれている様なので、細かいことは省きます。

1)警察側は本当に「再三の警告」をしたのか?

 「渋谷署警察官との事前打ち合わせ@ハチ公(http://jp.youtube.com/watch?v=VukCiIa0BDc)」を見てみると、事前に所轄署の警察官(警備課長だそうです)が口頭で「大きな声を出さなきゃ」「歩道なら」「5、6名ずつなら」等と、イベントについての承認を与えていることが判ります。これは警察の発表と真っ向から食い違います。但、これは人が集まる前に行われた会話の様なので、この後状況を見て警察側が対応を変え、主催者に警告したと云う可能性も考えられるから、決定的な判断材料にはならないなぁと思っていたのですが、この後アップされた「渋谷、逮捕前に打ち合わせするデカ(http://jp.youtube.com/watch?v=Rc0Z0Yvde8E、http://jp.youtube.com/watch?v=-Xbaexy5lcE)」を見てみると、刑事達が「警告を誰かにさせないと」と話し合っていますが、この後逮捕に至るまでの間、警官が「これは無届けデモだから中止しろ」と警告をしたと云う事実は一切映っていません。但し我が家のパソコンではこの間何等かの作為的な編集があったのかどうかを判断出来る程鮮明には見られないので、これも確定的なことは言えません。判断材料不足です。

 作為的な編集が無かったと仮定して話を進めるとしますと、無論、警官の誰かが逮捕された男性に対して、他の人には聞こえない様な声でボソボソと「やめろ」と言っていた可能性もありますし、雑音が酷いので、この映像では音が拾えなかっただけだと云う可能性も考えられない訳ではありません。ですが少なくともこれがデモの行列だったと言うのであれば、デモの参加者全員に聞こえる様な警告や説明は一切行われていなかったと云うことになります。尤も、デモと云うのは原則として1人でも出来ないことは無いので、逮捕された1人だけには警告が与えられていたと仮定して、当局は、その1人だけはデモをしていたが、その周囲に居た参加者達は全員デモをしていなかったと判断したのだ、と考えることも出来ない訳ではありませんが、これはバカバカしいので可能性を指摘するに止めておきます。

2)違法行為はあったのか? その1 「公務執行妨害」

 「公務執行妨害」、つまり警官への暴行は本当にあったのでしょうか? これも実の所判断材料不足なのですが、逮捕現場の映像を見る限りで判断するならば、逮捕以前に参加者達が何等かの暴力行為を行っていたと云う様子は窺えません。無論、その映像には映っていなかっただけで、画面の外で暴行が行われていたと考えることも出来ますが、そんな騒ぎがあったなら当然起こるであろうそれらしい声も物音も、画面からは聞こえて来ません。歩いていたらいきなり警官が襲って来た、と云う点で参加者達の証言は一致していますが、歩いていていきなり大の男が飛び掛かって来たらそりゃあ抵抗するでしょうし、周りの人は助けようとするでしょう。若し最初の男性の逮捕が事前の通告無しに行われたとするならば、これに驚いて抵抗したり助けようとしたことを以て「公務執行妨害」とするのは警察側の悪意の罠の様にも思えます。しかしこの点についてはアップされた映像と参加者達の証言しか無く、警察側からも、具体的にどういう暴力行為があったのかと云う発表が無い為、客観的な検証の仕様がありません。警察の公式発表と、多少なりとも具体性に於て勝っている複数の個人の証言と、一方をより信じたくなると云う気持ちはありますが、ここは敢えて保留にしておきます。

3)違法行為はあったのか? その2 「公安条例違反」

 2ちゃんねるの関連スレッド等を見ていると、「無届けでデモをやるなんてアホ。届出をしていなかった主催者側の落ち度」と云う意見が結構ある様ですが、これは本当に「届出が必要なデモ」だったのでしょうか? そもそもデモに届出が必要になるのは、大勢で公共の歩道や車道を一定時間占有したり、騒乱の元になったりと、要するに「周囲に迷惑を掛ける」、或いは「掛ける可能性がある」からであって、例えば私が今日何かのスローガンを書いたプラカードを持って1人でテクテク町中の歩道を歩いたとしても、それは常識的には確かにおかしな行為かも知れませんが、しかし別に他の人に迷惑を掛ける様なものでない限りは、言論・表現の自由に於て保障されている圏内での行為であって、何等違法性があるものであはりません。

 今回のデモについて言えば、参加者達が揃って歩き出す前に駅前に集まって20分程、この集まりの趣旨を述べたりしている様ですが(「渋谷、麻生邸見学 ちょっとその前に(http://jp.youtube.com/watch?v=Hr_0zrf5QHQ)」)、警察の方からは別段この時点での行為についての言及は無いので、これに問題は無かったと見ていいでしょう。問題は歩き出してからのことですが、車道を歩くのであれば仮令少人数であったとしても届出が必要になりますが、今回は歩道です。何処かを占拠した訳でもなく歩いていただけ、しかも参加者は50人程度で(尤も参加者の証言に依ると何処までが参加者だったのか不明だったので、50〜200名だったと云うことなのですが、マスコミには30〜40名と少な目に報じている所もある様です)、日曜の渋谷と云う元々人の多い環境を考え合わせてみても、緊急性が認められる程交通の邪魔になったとも思えません。プラカードや横断幕等を掲げていた人もいるではないか、と云う意見もある様ですが、その手のものは事前に警察から言われて下ろしていた様ですし、歩行中は拡声器等も使用していなかった様です。それにそもそもプラカード等を持って歩くこと自体は違法ではないので、この警察側の通告だか勧告だか自体、この部分は映像が上がっていないので私は判断出来ませんが、越権行為であると云う可能性が大です。

 東京都の「集会、集団行進及び集団示威行動に関する条例(http://www.ron.gr.jp/law/jourei/tk_demo.htm)」の第一条「道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会)の許可を受けなければならない」は、何度読んでも日本国憲法で保障されている言論・表現の自由の侵害ではないかと思うのですが、仮に全面的にこれを認めたとしても、第六条には、だからと言ってこれ以外の集会等を禁止する権限を公安印会等に与えるものではないと明記してありますし、第三条で言及されている様な「公共の秩序の安寧」に対して脅威となる様な行動が、今回のイベントに於て存在したとも思えません。

 結論:今回のイベントが何等かの示威行動に該当すると見做すに足る要件自体が薄弱で、しかもそれが現行犯での緊急逮捕が必要な程の違法性を帯びていたとは考え難い。仮にこれが「デモ」と云う範疇に当て嵌まるものだと認めてみたとしても、デモを行うこと自体は違法ではないし、事前に申請が必要な程周囲に迷惑を掛ける様な種類のものであったとも考え難い。従って「公安条例違反」を理由にして逮捕する法的な根拠は認められない。

 但し、です………

4)主催者・参加者側の脇の甘さ

 私は、警察ではないのですが、取り締まる側の立場の方々を見る機会があったので多少は知っているのですが、デモに限らず、公共の場や公衆の前での権威やルールに逆らう様な行動を歓迎する警備関係者は皆無です。組織の下位構成員である彼等の考えることは唯ひとつ、自分達の飼い主から「何やってんだお前、下らないことで俺を煩わすな」とお叱りを受けないことです(中には騒ぎが起きたらこれを点数を稼ぐ好機と見る積極的な御仁も居るかも知れませんが)。事勿れ主義を至上の信条としている彼等は、自分達が決めた「秩序」から外れる者を許しません。彼等の頭には、言論や表現の自由があらゆる市民に認められるべき当然の権利であるなどと云う発想は存在しません。何かの主張すべきことを持って発言する人も、意味も無く我が儘からキレて騒ぎを起こすDQNも、彼等にとっては同じなのです。彼等から見て面倒を起こす者、また起こしそうな者は、何かあれば口実を見付けて、周囲の目から排除しようと狙っていると思って99%間違いありません。今回の様な場合、彼等は「対象が何かトラブルを起こした場合に対応する為に」配置されている訳ではありません。彼等にとっては、対象の存在そのものがトラブルな訳ですから、「とにかく対象を威圧し、威嚇し、排除または無力化する為に」配置に付いているのです。従って、嘆かわしいことですが、公衆の面前で権威に歯向かう様な主張や信条を表明したりする場に於て問題となるのは「実際に違法行為をしていたかどうか」ではなく、「違法行為に見える行為、或いは、違法行為であったとこじつけることの可能な行為をしていたかどうか」なのです。

 今回のケースの場合、主催者側は当然その程度のことは予想していて然るべきだったにも関わらず、それに対してきちんとした準備が為されていたとは思えません。

 事前の打ち合わせの映像では「大きな声を出してはいけない」と警告されていますが、実際には移動中「麻生さん家に行きます」と恐らく通行人に対して、短い間ですがやや大き目の声で呼び掛けている男性がいた様です(映像では確認し辛いのですが、目撃者達の証言から、恐らくこの人が最初に逮捕された男性だと思われます)。事前に有志の参加者達を募って、自分達だけの勉強の積もりだったのか、それとも最初から周囲の人々に対する示威行動だったのか、その境界がはっきりしていない行動を取ることは、公安の人間を相手にする時には非常に危険です。他の人にアピールしたいなら、最初からデモの申請をしておくか(これを却下する正当な理由は無いのだから、余程のことが無い限り受理された筈です)、或いはせめて例えば「麻生邸見学ツアー 飛び入り参加自由」とでも書いた幟を1本だけ持って、通行人から「これは何ですか」と訊かれた場合にのみこれこれこんな企画ですと答えることにする等して、禁欲的な態度を貫いておくべきでした。「これ位なら大丈夫だろう」と勝手に判断するのは甘いのです。「大声を出さなければOK」と云う合意を得ていたと云うことは、逆に言えば当局からしてみれば、「大声を出していると見做せる様な行動を取ったら、その時は介入するチャンスだ」と云うことでもあるのです。

 参加者達はそれがデモだと云う意識を持って参加していた訳ではなかった、と言っている人も居る様ですが、本人達の思惑など、取り締まる側からすればどうでもいいことで、「デモをしていたかどうか」ではなく「デモっぽく見えることをしていたかどうか」が肝心なのです。殊に渋谷を歩いている様な若い人は、「プラカードを持っている=デモをしている」という発想を持っていたとしてもおかしくありません。そうした周囲の目から見て「デモっぽいこと」に該当する何等かの要件をうっかり曝してしまったが最後で、それは「自分達を排除する口実を与えてやる」と言っているのと同じことなのです。

 それにまた、逮捕されてからの参加者達は直ぐに「横暴だ!」「不当逮捕だ!」と大声を上げて騒ぎを大きくしています。これも感心出来ません。叫びたくなる気持ちは解らなくもないですが、挑発的な行為であったと云う印象は否めません。当局に恰好の口実を投げ与えてやっている様なものです。意図的なアジと取られる可能性だってあります。

 これらの点、また、今回のイベントはそもそも、麻生首相に団体交渉を申し込む為のプレイベントとして企画されたと云う点に引っ掛かりを感じる方も多い様で、今回のことは始めから騒動になることを見越した主催者側の売名行為だったのではないかと云う穿った見方をする方も居る様です。私は余り人の悪意を疑う様なことはしたくないのでその線についてこれ以上突っ込むことはここではしませんが、少なくとも結果だけを見る限り、そう思われても仕方無いことを、参加者達はしていると言わざるを得ないでしょう。若し彼等が本当に麻生邸の見物だけをして、金持ちが支配する格差社会の実態について某かを考えたいと云う動機だけで行動しており、何等騒ぎを起こしたくないと望んでいたのであれば、主催者は予めデモの申請をして法的な後ろ盾を得ておくか、或いは参加希望者達に対して厳重に注意を促して、プラカードや横断幕等は最初から持って来ない方が良かったでしょうし、こちらから大きな声で周囲の人間に話し掛けることはしない、向こうから何かされても飽く迄冷静に対応する、等のルールを徹底させておくべきだったでしょう。付け加えるなら、客観的な証拠となる録画映像も、もう少しきちんと全景を捉えたものを用意しておくべきでした。要は、こちらを陥れようとする相手に対して隙を作らないことが肝要なのです。事が起こってしまってから、横暴だ、不当逮捕だ、暴力だと一方的に騒ぎ立てるのは下策もいいところです。

 念の為に言っておきますが、私は別に公安の警官達による逮捕が正当なものであったと言っている訳では全くありません。少なくとも「公安条例違反」に関しては(逮捕の理由が建前通りであることが守られると仮定すれば)、あれは明らかに不当逮捕、越権行為だと思いますし、今尚拘束され続けている3人は、少なくとも最初の1人は直ぐにでも釈放し謝罪すべきだと思います。但、イベントの主催者・参加者(両者の区分は私には判断出来ませんが)の方にも、不用意な点が多かった、隙を作り過ぎていたと私は思う訳です。今回のトラブルが彼等の望まない結果だったと云うのであれば、彼等の準備は些か稚拙だったと言わざるを得ません(勿論、そもそもそんなことをいちいち気にしなければならない世の中の方がどうかしているのですが、実際無法地帯に生きている様なものなのだからそれに合った行動を取らねばなりません)。

 さて、総論は以上で終了。以下は付論です。

5)マスゴミの黙殺

 にしても何時ものこと乍ら不気味なのはマスコミの無為と沈黙です。そもそもこの一件を報道している機関自体が少ないのが不可解なのですが、報道内容も警察の発表をその儘垂れ流しているだけ。仮にも「不当逮捕だ」と叫んでいる人達が居るのだから、現場で取材を行って検証した上で公共の場に情報を届けるのがジャーナリストの義務と云うもの。朝日新聞が「警視庁は………と発表した」「公安部によると………」等と但し書きを付けていたり、警察署前で抗議行動を起こした人達が居たことを報じているのはまだマシな方で、産経や毎日、TBS等は「」無しで警察側の主張が100%事実に裏付けされた真実であるかの様に報じてそれでお終い。警察の手先と言っても何も問題ありませんね。喜んで「マスゴミ」と呼ばせて貰いましょう。そう言えば労働や人権の問題には何時も目敏いしんぶん赤旗が、今回に限っては何故か無関心な様なのも気になりますが、ひょっとしたら私が上で述べた様な理由から、今回は手を出すのは危険と判断したのかも知れません。

6)その後の公僕達

 「麻生でてこい!!リアリティツアー救援会」の公式ブログ(http://asoudetekoiq.blog8.fc2.com/)」に後日談が幾つか載せられていますが、不当逮捕に抗議する人達に対して、マスクで顔を隠したり制服を脱いだ警察官が「お前等うるせーよ!」「この乞食が!」等とヤクザ紛いの暴言を吐いたり暴力を揮ったと云ったことが書いてあります。捏造でないとも断言出来ませんが、本当だったとしても全く驚きません(実際こうした、外面が中身よりも大事な仕事に従事している人間には、相手によってコロコロ態度を変える、品性を欠いた人が多いのです)。マスゴミや反抗しない羊の様な市民に対して見せる礼儀は持っていても、生意気な貧乏人相手には侮蔑と嘲笑だけ、と云うことでしょうか。百歩譲って抗議者達の方に先に何か挑発的な言動があったのだと仮定してみても、その挑発にまんまと乗ってアホな言動をしてしまえば、その時点でアウトです。公僕としての自覚が足りません。マスゴミが黙殺を決め込んでいるからと言って、市民の目が届かないと思っているのでしょうか。

 また、3人の取り調べに於て、執拗な嫌がらせ、精神的拷問が続いているとの記述もありますが、本当だとしたらエラいことです。情報源が明記されていないので即断は考えものですが、釈放されたら早急に事実確認を行い、公表して欲しいものです。


 付記:この記事を書いている途中で3人が釈放されたと云う記事を読みました。取り敢えず一安心ですが、当局からは謝罪も何も無く、相変わらず大手のマスゴミは沈黙(地方紙等は辛うじて微妙な言い回しの短い記事を載せている様ですが)。今後の追及活動はやはり草の根主体で行われて行くことでしょう。
07/08/12(火)
どうにも自堕落な近況報告


 いやー最近全然更新してなくて申し訳ありません。毎日暑くて暑くて何もやる気が起きんのですよ。アニメやら映画やら音楽やらをひたすら吸収して時が過ぎて行く日々を送っています。

 アニメだと今特にお気に入りなのは『コードギアス 反逆のルルーシュR2』。久々にどっぷりハマッたアニメなのですが、棄てられた皇子様が知力と武力によって理不尽な世の中を改革して行くと云うストーリーが、古典的貴種流離譚とH.G.ウェルズの現代版を組み合わせたみたいでとっても痛快です。言葉のセンスとか設定上の数々の破綻とか色々不満はあるのですが、ここまで色々予想や妄想で補完するのが楽しい作品は久し振りです。

 映画はテレビで流れているものをのんべんだらりと計画性無く観ているのですが、やっぱり古いのがいいですね。映像に品のあるのが多くて。最近の、特にアクションシーンのある映画は凝ったモンタージュに溺れた様なものが多いので、画面が固定されていて役者の芝居が落ち着いて観られる映画を見るほっとします。

 音楽だと、最近の購入CDにはまたカラヤンやショルティ指揮のものが若干多くなって来た様な気がします。彼等の演奏は?(I$K「機能的で深みが無い」と批判されることもあり、私も場合によっては「派手にジャカスカ鳴らして、それで音楽が出来ると思ったら大間違いだぞ!」と言いたくなることもあるのですが、元々性分として難解なものよりは明快なものの方が断然好みですし、殊にカラヤンなどは郷里に居た時分から色々なCDでお世話になっていたこともあって、自分に合う曲さえきちんと選べば、彼等の分かりやすく隙の無い濃密な演奏はこの上無く痛快です。ですが不思議なことに、近頃東京MXテレビでカラヤン特集をやっているのですが、映像だと何故かCDで得られる様なカタルシスが得られません。曲目の所為もあるのでしょうが………。何故でしょう。他にはデュトワやバーンスタイン、ボールトの復刻盤も何枚か出ましたし、また最近特集リリースをやっていたので初めて聴いたのですが、カレル・アンチェルと云う指揮者のものも、何処か生き急いでいる様な男性的で衒いの無い演奏がとても気に入りました。中古屋で、長いこと探していたシュールホフの『炎』を見付けたのも大きな収穫でした。

 さて黒森も黒森でここ数ヶ月は全く新しい原稿を寄越して来ないのですが(いえそれ以前に私の手元にある原稿で清書してないのがまだたんと山積みになっているのですが、何とかしないといけませんな)、同じく暑さで創作意欲が大幅に減退している模様。北国生まれにはこの季節は辛いですな。近頃はギリシャ悲劇とかシェイクスピアとかの重苦しい古典を読破しつつ、その一方でモンティ・パイソンのDVDを観るなどと云うプチシュールな生活を送っている様です。懸賞にはまた落ちてモチベーションが下がり気味な様なので、何とか尻を叩いて何か書かせてやりたいのですが、その前に私の方が何とかしないといけない情況です。取り敢えずまだ御紹介出来ていない短編小説が数編ありますので、頑張って入力を済ませたいと思います(でも短い方が楽なんだよなぁ………)。

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