川流桃桜の日々の呟き06/11〜12月


06/12/25(月) クリスマスのお薦め3冊
06/11/17(金) 共謀罪法案をぶっ潰す為の署名に参加しよう!  ←署名はココから!
06/11/15(水) この道は何時か来た道………もうここで止めなければ
 北朝鮮とアメリカ
 イラクを巡る危機
 9.11自作自演疑惑
 美しい国を説く首相の見苦しい態度
 共謀罪、教育基本法改悪、憲法改悪
06/12/25(月)
クリスマスのお薦め3冊


 どうにも呆れるばかりの流れが止まるところを知らない世界情勢・社会情勢にいちいちコメントするのも追っつかないこの頃ですが、そんなことはお構い無しに今年も暗黒と復活の夜がやって参りました。川流は貧乏ヒマ無しなのですが、時間に余裕のある方は、是非あったかいコーヒーなぞちびちび啜りつつ、この陰鬱な夜の暗〜い温かさを楽しんでみて下さい。そしてそんな時にはやはり本! 今回は黒森と協議の結果、クリスマスの夜にお薦めの読み易く内容の充実した雰囲気のある本を3冊ピックアップしてみました。古くて入手困難なものばかりで恐縮ですが傑作揃いです。若し目にする機会があったならば、美しく恐ろしい多彩な聖夜譚の数々を堪能してみて下さい。

アイザック・アシモフ編『クリスマス12のミステリー』(新潮文庫、1985/10)

アイザック アシモフ編『クリスマス13の戦慄』(新潮文庫、1988/11)
(川流桃桜によるレビュー有)

風間 賢二編『クリスマス・ファンタジー』(ちくま文庫、1992/12)
06/11/17(金)
共謀罪法案をぶっ潰す為の署名に参加しよう!


 今だ予断を許さない教育基本法改悪を巡る動きについて、連日国会前を含め各地で最大数千人規模の抗議デモがあったと云う事実は、結局中央の大手メディアは唯の一行も報じませんでした。今に始まったことではありませんが、呆れ果てた話です。健全なジャーナリズムとしての機能を果たしていないことはこのことからも明らかですな。

 さて今日は共謀罪などと云う現代版治安維持法の復活を阻止する為の署名運動のひとつを見付けたので紹介しておきましょう。名前を書いてちょこちょこっと書き込みをするだけでいいので簡単です。是非どうぞ(こんな書き込みさえ出来なくなる時代が来てしまう前に!)。

『グリーンピース・ジャパン』「Say “NO” to 共謀罪法案 サイバーアクション」
 http://www.greenpeace.or.jp/info/features/civil_liberty/cyberaction/?cyber)
06/11/15(水)
この道は何時か来た道………もうここで止めなければ


 最近日本内外の動きがどんどんキナ臭くなって来ています。今日は前回から少し間が空いてしまったこともあり、主だったニュースをざっと追ってみましょう。



北朝鮮とアメリカ


 北朝鮮が核保有に向けて乗り出した、制裁しろと世界中が騒いでいますが、そもそも世界中の他の国々が核を放棄しているのに北朝鮮一国だけが保有へ乗り出した、と云うのであればともかく、核を既に持っている他の国々のことは一切棚に上げて北朝鮮だけを叩くのは、詰まりは北朝鮮を自分達と同等の一独立国家として認める気が無い、と云う意思表示をしているのと同じことです。他国を遙かに圧して一万発以上もの核弾頭を保有し、他の保有国が「他の大国が(要するに親玉のアメリカが)捨てればうちも捨てる」と明言しているにも関わらず、再三に亘る核軍縮の動きにストップを掛け続けている軍事大帝国アメリカを批難する声は、少なくとも大手メディアに於ては略皆無。「大量破壊兵器」を持たなかったイラクが「テロとの戦争」の名の下にあっさり侵略されて、軍備を増強しようとする国々が広がる中で、「うちに手を出したら危ないことを知らせておかないと、何時侵略されるか分からない」と金正日が考えるのは極く当然の成り行きとして予想出来たことです、それが判ってい乍ら強硬路線を崩さなかったアメリカの責任はどうなるのでしょう? アメリカが真っ先に軍縮しなければ、他の国々は警戒を解けないのは分かり切っています。イラク、イラン、そして北朝鮮。先陣を切って文句を付けているのは常にアメリカです。この世界一の核保有国をどうにかしないことには、この下らないモグラ叩きゲームは所を変えて延々続いて行くでしょう。
 アメリカは今年、核よりもずっと身近な兵器である銃等の小型火器の規制を求めた動きにも待ったを掛けました。後ろにいるのはマイケル・ムーアが 『ボウリング・フォー・コロンバイン』で(多少過度に悪役として)描いた様な「銃はアメリカ文化の精髄」と考える連中です。日常的な殺人に用いる兵器として最もポピュラーな小型火器を規制出来ればどれだけの人命を救うことが出来るか、それを考えただけでも、アメリカのしていることは犯罪的と呼んでいいものです。

 北朝鮮に対し経済制裁を、と叫ぶ声も今だにある様ですが、感情に任せてそんなことをしてしまったらとんでもないことになります。そもそも経済制裁と云うものは直接的には確かに人命に関わることはせずとも「緩慢な大量虐殺」とも言うべき代物、独裁体制の下でこれをやってしまうと、苦しむのは民衆ばかりで、逆に強いリーダーを必要とする状況の下で独裁者の権力は強くなる一方です。湾岸戦争後のイラクでアメリカが経済制裁を行った結果としてフセインの地盤が強固になってしまったと云う恰好の見本があるのに、誰も何も学んでいないのでしょうか?



イラクを巡る危機


 イラクはもうすっかり内戦状態。リバーベンドのブログBudhdad Burningが8月から2ケ月も更新を停止していたので最悪の可能性も想像しつつ心配していたのですが、まだ無事の様で何よりでした。状況は以前にも増して最悪の様ですが、何とか頑張って他の誰もが言わないイラクの真実を世界中に発信し続けて欲しいものです。

 アメリカやイギリスでは現職の軍高官が「シビリアン・コントロール」への配慮からの従来の不文律を無視して、ラムズフェルドやブレア等、現職の政府高官を非難すると云う異常事態が起こっています。現場を動かす部下に見放される様ではもうお終い、案の条米長官の方の首は挿げ替えられ、英首相の方も時間の問題でしょうが、彼等の後釜が彼等よりマシだとは楽観出来ないのが苦々しいところです。それに、追い詰められた主戦論者が何か又バカなことを仕出かさないかも心配です。

 フセインは到頭死刑判決が出て、支持率が40%(その後30%)にまで落ち込んだブッシュが大いに喧伝していましたが、私はこの判決には以下の理由から反対です。
 1)フランスの大統領も言っていたそうですが、相手がフセインであれ誰であれ、如何なる死刑もそもそも行うべきではありません。罪の重さを考えればその罰として死を与えるのは当然、と云うのは心情的には理解出来ます。しかし、個人の名の下に行われる殺人はダメでも、国家や法の名の下に行われる殺人は宜しいと云う主張は、一体何を根拠にして言われているのでしょう? 相手が最早それ以上害を為すことが有り得ないことが判っている以上、死刑とは結局「計画的報復殺人」以外の何物でもありません。形式がどうあろうと、暴力が暴力であることに変わりは無く、また裁く方も往々にして間違いを犯す、と云う可能性は、特に今回の様な異常な裁判に於ては決して過小視してはならない問題です。
 2)フセインに些かでも冤罪の可能性があると想像するのは確かに困難ですが、周囲の諸勢力にとってフセインが恰好のスケープゴートに成り得る立場にある以上、罪科がフセイン一人に過度に集中してしまうかも知れないと云う恐れは拭えません。そもそもフセインを裁いた法廷はアメリカの独断によるものであり、その正当性が大いに疑われるものです。そもそも被告がこの法廷の権威を全く認めず、裁判官も逃げ出したり追い出されたりよく分からない理由で二転三転、偽証が当たり前の様に行われ、しかも判決が出たのがアメリカ中間選挙の直前!? ここまで見え見えのアホらしい茶番を続けて世界中が騙せるとでも思っているのでしょうか? これがヤラセであり政治的パフォーマンスでなくて一体何だと云うのでしょう? アメリカも又当事者の一人である以上、この儘では必ず将来に禍根が残ります。最も望ましいのはイラク人自身の手で裁くことなのですが、現在の分裂した状態では政治抗争の道具に使われてしまうのは明々白々、アメリカの圧力を排し、せめて国連が第三者的な介入をしてくれれば良いのですが………。イラク国民に最大限納得の行く形での解決を図る為の努力こそが、現在の急務です。
 3)そもそも今のフセインを「同盟者」として支援し持ち上げ、あそこまでの地位に着けさせ、湾岸戦争で上手いことその生意気な鼻っ柱を叩き折った後で、経済制裁を10年にも亘って課し続け、追い詰められた民衆が強いリーダーに頼らざるを得ない状況を作り出したのは、他ならぬアメリカです。それが何やかやと口実をデッチ上げ、反対者が無力なのをいいことに済し崩しに侵略を進めたのがあのイラク戦争、最初から最後まで糸を操っていたのはアメリカです。イラクばかりか、現在も他の独裁者達を支援し続けているアメリカの罪状を追及すること無くしてフセインのみをトカゲの尻尾に仕立て上げてしまうのは、小悪を罰して大悪を逃す愚を犯すことになります。フセインが被告席に座らなければならないなら、当然ラムズフェルドもあそこに座るべきでなのです。
 4)今フセインを死なせてしまっては、現実的な可能性は薄いものかも知れませんが、この先彼から引き出せるかも知れない貴重な証言の数々、恐らくはアメリカにとって都合の悪い類いの証言の数々が、永久に失われてしまうことになります。彼が死ぬのは徹底的な事実究明が済んでからであるべきです。

 それから、自衛隊のイラク派遣については、日本国民の7割以上が好評価、との内閣府調査結果が出ている様ですが、少し探してみたらこんな実態があったそうです(『レイバーネット』「またまた内閣府!〜世論調査「陸自イラク派遣、7割評価」のまやかし」http://www.labornetjp.org/news/2006/1162946940274staff01)。もう今更驚きもしませんが、いい加減にしてくれ、とやはり一言言っておかずにはおれません。



9.11自作自演疑惑


 日本のメディアでは今だに黙殺され続けていますが、世界中にテロを拡大させ、各国のキナ臭い動きに一気に加速を付けた「テロとの戦い」のそもそもの原因、と云うより恰好の口実として使われた便利な契機的事件であった9.11そのものが、アメリカの自作自演ではないかと云う声がアメリカ国内では高まっており、世論調査では40%や70%等の高い確率で、アメリカ政府は9.11を仕組んだか、或いは何か重要な情報を故意に隠匿していると云う疑いが広まっているそうです。先月10/10(火)、日本でも集会が開かれました(『レイバーネット』「911真相究明国際会議報告・院内集会が開かれる」http://www.labornetjp.org/news/2006/1160612793963staff01)。今やこうした声もあることを日本国民は知っておくべきです。

 そもそも私自身、9.11にはその当日から何かがおかしいとは思っていました。ビルの倒れ方から飛行機の落ち方、当事者の奇妙な証言の数々、有り得ない証拠の存在や有る筈の証拠の不在、そしてその後の捜査の不自然な展開に、これ幸いとばかりに大暴走を始めたアメリカ政府。それでも、今年に入るまでは、「これだけ大きな事件なのだから少し位食い違いが出て来るものかも知れない」「安全保障上の機密が関わっているから情報が開示されないだけかも知れない」「大体私は建築や軍事等、何の専門家である訳でもないし」等々の様々な理由を付けては、こうした懸念を、大きな流れの中ですっかり薄めさせて来ていたのです。それはそもそも「まさかアメリカ政府が自国民を犠牲にしてこんな大芝居を打つなんて考えられない」と思ったからではありません、CIAやFBIやペンタゴンが関わっているなら、連中は人の命など何とも思っていませんから、これ位やるだろう、とは思っていました(実際、その後の流れを見てみると、9.11はアメリカの帝国主義者ばかりを大いに利する結果を齎しました)。そうではなくて、素人の私でさえ気付く様なこんなあからさまな不審点をこれだけ残すものだろうか、これだけの規模の偽装工作を仕組む位なら、もっと周到にバレない様に作戦を錬っておくものではないか、と思ったからです(事前に情報をキャッチしていたのに協力体制が整っていなかった為にみすみす事件を発生させてしまった、などと真珠湾攻撃の再来の様な言い訳は最初から目を逸らさせる為の嘘だと思っていましたが)。しかしアメリカ政府の「テロとの戦い」を迫る余りの強引さ、不様さに、これは本当に手際が悪かっただけかも知れないと思い始め、今年に入ってからは、専門家や識者の大胆な発言も段々表に出る様になって来たこともあり、私は今ではすっかり「陰謀論者」です。

 大体そこまで行かなくとも、アルカイダの前身はアメリカがアフガニスタン用に作り上げた組織で、ブッシュ一族とビンラディン一族は取引があり、元ハリバートンCEOのチェイニー副大統領を始め政府高官が軍需産業と密接なコネクションを持ち、9.11が結果としてアメリカに挙国一致の軍事体制を齎した、………と、この辺りの基本事項を列挙してみただけでも怪しさは十分だと思うのですが。我々はアメリカ政府の真の意図をもっと疑ってみるべきです。



美しい国を説く首相の見苦しい態度


 A級戦犯としての縛り首を逃れた昭和の妖怪岸信介の孫(こちらの方はぬらりひょんみたいな顔のポスターをべたべた町中に貼り付けて美観を損ねていますが)は今や首相、統一教会元会長久保木修己の『美しい国 日本の使命』(世界日報社、2004/12)又は河野洋平の「美しい国」論のパクりと言われる『美しい国へ』はまだ売れ続けているらしいですが(私も立ち読みで斜め読みしてみましたが、結局何が「美しい」ことになるのかさっぱり解りませんでした)、自身は非常に見苦しい発言を続けています。60年前の戦争については「歴史家の判断に委ねる」などと言って戦後責任を事実上放棄、どころか僅か3年前の戦争についても、「あの時点ではあの判断は正しかった」などと云う小泉首相のコメントを継承。この人達にとって一体責任とはどの位現在に最近にならないと発生しないのでしょう? 1年、1月、それとも昨日? 現首相・前首相は鳥頭なのでしょうか? 何れにせよ政治家と云うものは結果が全て、「あの時は事情があって………」などと云う言い訳は通用しません。大体イラク戦争については、2003年当時でさえ大いに疑問の余地のある根拠に基付いて行われた戦争です、その主犯達が(飽く迄戦略上のレベルでの話に留まっていますが)過ちを認めている段階になってまだ強弁を続けるなど、みっともないにも程があります。

 これに関連して、中国人強制連行の被害者達80人が来日し、各地で裁判に臨みました。
 『レイバーネット』「中国人強制連行被害者80人が来日」http://www.labornetjp.org/news/2006/1161654777756staff01/view
 『しんぶん赤旗』「中国人強制連行 被害者・遺族ら国会へ行進 “謝罪・解決 命あるうちに”」http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-31/2006103101_02_0.html
 『しんぶん赤旗』「中国人強制連行訪日団 加害企業に賠償要求 謝罪なし 怒る被害者ら」http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-01/2006110115_02_0.html
 『しんぶん赤旗』「中国人強制連行被害者訪日団 三菱マテリアルに抗議」http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-03/2006110314_01_0.html
 今回もやはり進展は無かった様で、抗議に出向いた原告側を、鹿島建設等の企業企業側は完全に無視。しかもメディアでも殆ど報じられませんでした。自分達が加害者側であった拉致問題については完全に封殺し、一方で自分達が被害者になった側の拉致問題についてはNHKに重点報道を「命令」。一体何様の積もりでしょうか。自分の過ちは認めないけれど他人の過ちは言論(報道)の自由と云う民主主義の基本ルールを破っても徹底して叩く、この行動の一体何処に美しさがあると云うのでしょうか?



共謀罪、教育基本法改悪、憲法改悪


 戦争する国への準備が急ピッチで進んでいます。基本となる三悪法の内、憲法改悪が一番の問題ですが、他の二法を巡る状況も又切迫して来ている様です。

 現代版治安維持法(多分「治安維持法」がどんなものかも知らない今時の国民も多いのではないかと不安になります。若者は勿論、年配の方にも)とも言うべき共謀罪は、言論の自由に対する明白な弾圧です。現時点に於てさえ、殆ど報道はされていないのですが、既に共産党や労働組合系の無論合法的な活動を続けている人々が、全くの言い掛かり的な理由で逮捕されたり強制捜査されたりと云った異常事態が続いている以上、若しこれが採択されようものなら、政府を批判するデモや集会、抗議行動が不等に弾圧され始めるのは目に見えています。又それ以前に、地域社会に入り込む監視カメラや禁止条項の数も多くなる一方で、社会全般に亘って人々の生活を統制しようと云う意図が見え見えです。アメリカは既にマイクロソフトと提携してアラブ系のサイト等を潰しに乗り出していますし、日本でもその内インターネット規制がドンと厳しくなる可能性もあります。ウチの様な超弱小サイトは多分危険性は少ないでしょうが、政府を批判する書き込みをしていたら、或る日突然画面が真っ黒に! なんてのはまっぴら御免です。どうやら採決に時間を掛けてしまうと色々とボロが出て来るので、反対運動がこれ以上大きくならない内に短時間で強行採決してしまおうと云う肚積もりらしいのですが、冗談じゃありません。

 教育基本法の改悪も進んでいます。調査では全国の校長の66%がこれに反対し(東大の基礎学力研究開発センター調査)、立続けに全国各地で抗議行動も起きているのですが、これらに関しては大手メディアは殆ど黙殺体制を崩す気は無い様です。

 受験に必要の無い科目の履修漏れ問題は、何とも不様な話ですが、起こるべくして起こった問題と言えるでしょう。教育課程審議会会長だった三浦朱門によれば「ゆとり教育=エリート教育」だそうですから、要するに差別的な教育、格差拡大・固定化教育を進める愚民化計画です。授業時間は減らされた上に、教師達への上からの締め付けは厳しくなる一方、おまけに勝ち組、負け組の二極化が確実に進行する中、どの親も我が子を勝ち組に入れたいと必死です。手も足も縛られあれこれと周囲からせっつかれる現場の教師達に工夫出来る手段と云えば自ずと限られて来ます。その皺寄せが今回の結果、しかも氷山の一角です。
 教師に個人的な知り合いが多く、自身高校は進学校へ通った身で言わせて貰えば、教師に向上心を促し、啓発に努めると云う文言自体は全く悪いものではありません。ですが教育の場に見せ掛けの「成果主義」を導入するが如き現在の様な方法では、徒らに学校の予備校化を促進するばかりで、非常に視野の狭い教育しか出来なくなります。教師の立場が極めて不安定なものになることによって、当然彼等もそれぞれ生活のある人間です、保身に走る傾向が生み出されるのは当然の理です。そして勉強が点取りゲームになってしまうと、生徒や児童がものを考える力は急速に低下して行きます。立花隆氏のコラム(『立花隆のメディアソシオ-ポリティクス』第89回「東大生にも蔓延!履修漏れ問題 「ゆとり教育」が国を滅ぼす」http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/061101_yutori/)を読んでいたところ、最近は一般常識を全く欠落させた東大生が急増しているとか。テストの点がいいだけの、自分の頭で社会問題を批判することの出来ないバカが大量生産されていると云うことなのでしょうか。そんな若者が選挙権を持った時にどうなるか、或いは官僚等になってこの国を動かして行くことになったらどうなるか、考えるだけで恐ろしくなります。

 こうした動きに於て特に懸念されるのは、「情報」や「世界史」と云った必須科目が、「受験に必要無い」と云う理由でどんどん切り捨てられていることです(私自身はそもそも時代が違うのでどちらの授業も受けたことがありませんが)。ここまで政治的プロパガンダが大っぴらに横行し、監視社会化が加速する中で、無駄に氾濫する大量の情報を適切に判断し批判する能力を欠くことや、このグローバル化の中で世界のこれまでの歩みやそこに於ける日本や各国の立場を理解していないことは、これからの時代を生き抜いて行く為に致命的な障害になることは言うまでもありません。そんな満足にものも考えられぬ人間を大量に作り出して、政府は将来一体どうする積もりなのでしょうか。「愛国心」やら「伝統」やらが姦しく宣伝されているところを見ると、「死ね」と言われたら文句のひとつも言わずに喜んで「ハイ」と言って死ぬ、そんな兵隊さんを作りたいのだとしか思えません(実際、事態を悪化させるべく、既に無様な洗脳とでも言うしか無い反吐の出る様な授業が既にあちこちで試されている様です9。

 教育改悪他についての各種タウンミーティングでの「やらせ質問」問題はもっと情け無い話です。市民の疑問に答えるべく開催されている筈の会合で、市民からの質問枠には制限を設け(一例として、或るTMでは1人2分、僅か10人に僅か20分しか与えず、しかも内2人がやらせだったそうです)、前以て仕込んでおいた質問者に「愛国心」やら「家庭教育」やらを、さも市民からの自然な反応であるかの如くに装って発言させると云う、実に嫌らしい真似を、市民の為の公僕である筈の公務員が仕出かしたのです。何でも「議論を深める為」と云う言い訳をしていたらしいのですが、これはもう「市民の理解を得る」為ではなく、単に一方的な政治宣伝の場としてTMが利用されたと見るしか無いでしょう。この他にも、上で挙げたのとは別に、もっと直接的な方法で世論調査で数字を誤魔化したと云う話も出て来ている様ですし、最近の役人は市民を、国民を舐め切っています。まともな頭を持った人間は自分達だけだとでも勘違いしているのでしょうか。

 東京都の君が代・日の丸強制問題は目出度く違憲判決が出ましたが、まぁこれが本来当たり前の筈なのです。ですがこれをいちいち「当たり前の筈」だと確認しなければならない息苦しい時代の雰囲気と云うものが日に日に醸成されて来ている様で、どうも真に嫌〜な、そして不気味な感じを覚えます。金持ちエリートの特権意識丸出しの石原都知事はこの司法判断を公然と無視、更に締め付けを厳しくすることを宣言しました。現在「反抗的」な教師達には、密室で「研修」と称した呆れ果てたいじめが行われているそうですが、これからは下手をすると懲戒免職です。小泉首相の靖国参拝の時もそうでしたが、どうもこの国の政治家には司法の権威と云うものを軽々しく貶めても平気でいると云う悪しき体質が染み付いている様です。社会や若者に規律規律と喧しく怒鳴り散らす前に、先ず自分で法律を守り、社会のルールを尊重することを覚えるべきでしょう。「公務員は、法秩序の定める厳正な手続きに従って行動しなければならない」———こんな「しんごうが あかのときは おうだんほどうを わたっては いけません」みたいなことを改めて一有権者に言わせてしまう政治家が何でトップの座に就いてるんでしょう、トホホ。

 これらの動きと連動して、憲法改悪を巡る一連の動き、就中9条を無効化させようと云う動きは明らかに戦争準備体制を整える為のものですが、北朝鮮の核開発宣言を機に一気に加速した感があります。アメリカの核寡占によって最早事実上核抑止力などと云うものが無効化し、これからは寧ろ核軍縮を積極的に叫ばなければなからいと云う状況のなっているのに、これから核を持とうなどと云うのはトンチンカンもいいところ。なのにそんな妄言が堂々と国会の内外でまかり通っています。今軍を持ち核を持ったら、日本は一国家として独立するどころか一層アメリカの侵略政策に付き合わされて益々ポチ化することは必定、これまでは9条があったお陰で、朝鮮の時もベトナムの時も、日本は自分達では一滴の血を流すこと無く、他人の不幸に付け込んで大儲けすることが出来ましたが、その防波堤を自ら崩す様な真似をしてしまったら、もうどうにもなりません。今は沖縄県始め各地方の安全と年間6,000億の上納金でことが済んでいますが、中国との代理戦争にでも嗾けられた日には、これに更に多数の日本国兵士達の、そして恐らくはかなり高い確率で日本の民間人の生命も差し出さなければなりません。与党政治家や右翼の連中はそんなにもこの国を帝国主義者共に安値で叩き売りたいのでしょうか? それとも、無意味なばかりか危険極まり無い核開発競争を本気でこの東アジアで繰り広げ、冷戦時代再び!の大号令を掛けたいのでしょうか? 戦争で国民の生命と安全は守れません。本当に平和を望むのであれば、軍などと云う極めて非人道的な道具を安易に頼りにするなど百害あって一利無しなのだから、命を懸けて死に物狂いで外交をした方がずっと現実的と云うものです。



 以上、極く極く駆け足でここ最近のニュースを纏めてみましたが、戦争関連でAmazonで新しいリストマニアを作りましたので、宜しければそちらの各種文献も参考にしてみて下さい。

今ここにある危機

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