1556.
 この途方も無く馬鹿気た、下らない、不合理な日々が、果たしてこの先何千日に亘って続くものやらと考えると、気が遠くなりそうになる。だが不幸なことに、そいの儘上手いこと気を失ってしまうことは先ず起こらない。只ひたすらに唇を噛んで耐えて行かねばならぬのである。


1557.
 謝罪:
 1)通常、逆の意味を持つものだと受け取られる侮辱。
 2)こんな面倒事からは早く逃げ出したいと云う不満の婉曲的な表明。


1558.
 お礼:社会契約も観念が発達していない未開社会に於て、互恵的な行為の諸条件が明文化されていない場合、
 1)今後の相手の利用価値を互いに測定する為に事後に行われる儀式。
 2)今後の便宜の為の布石を打つ為に、自らの利用価値と無害さをアピールする行為。


1559.
 承認を巡る絶え間無く果てしの無い闘争の渦中に在って、私は傷付き、疲弊し、ズタボロに擦り切れて、ひたすら無力に一刻も早くこの闘争の終着点に行き着くことばかりを希っている。闘争それ自体は結構、だが闘うにしてもそれぞれに適した闘い方と云うものが有るのだし、砂浜に打ち上げられた魚の様な状態の儘、闘争の場は選べないのだなどと押しつけがましく説教を垂れられても、迷惑なだけでちっとも有難くなんかはない。


1560.
 「あんたらにはもううんざりだ、さようなら。」たったこれだけのことを言える様に成るまでに必要とされる、気の遠くなる様な様々のことども………。


1561.
 後どれだけ努力したら、まともに呼吸が出来る様になるのだろう。後二百回位は生まれ変わらないと無理ではなかろうか。いやそれでも足りないだろうか。私の様な人種にとって、世界は余りにもノーマル以下なのである。
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