1139.
「無知は先行投資的な罪である」。これを自覚出来るものにとっては、そもそもこんな言葉は不要であろうし、自覚出来ない者にとっては、これを一万回唱えてみたところで全くの無駄であろう。


1140.
宇宙として在るのが難しいならば、せめて宇宙と共に在りたい。そうでなければ全ては空しい。


1141.
日々是新也。退屈モ又日々是新也。


1142.
子供の頃自室で顕微鏡を覗いていた時に抱いていたあの喜悦が取り戻せるなら、寿命が十年縮んだって構いはしない。


1143.
野心の少ない者だけが、勝利を描き得る。


1144.
無知蒙昧で視野狭窄を起こした、権力者共の家畜や奴隷でしかない大衆などと云うものは、凡そこの地上から一掃され、絶滅させられるべきだ。*だがその為の手段は暴力ではない。教育と言論である。

*尤もここで、「多様」性の確保や「相対的姿勢の保持」と云う点から異論があるかも知れない。そこでまた「しかし当為的命題に関しては多様の中にもはっきりと優劣を付けるべきだ」と云う主張に傾きたくなるのも当然である。しかし、この点に関しては、一義的に普遍化可能な解答は得られないのではないかと思う。こうしたことは容易にモグラ叩きなウナギの手掴みの様な不様な様相を呈する為、個々のケースについて対症療法的な分析と対策を試みるしかないのではないかと思う。


1145.
夢見は、悪かった気がする。そこを、最早憎む気力すら湧かない唯々不快なだけの目覚ましの音によって叩き起こされる。そして、今が朝で、自分がまだこの世界からおさらばしていないことを知ってびっくり仰天して、こう叫ぶ。「何とまぁ! この悪夢はまだ終わっちゃいなかったのか!」


1146.
とても信じられないものを目にする。ほんの一寸したことでけたけたと狂った様に笑う合う子供達。更に輪を掛けて、自分にも曾てあんな瞬間があったと云うことがどうして信じられるだろうか。
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