0825.
 暑いと汗が出て喉が渇くのに我慢がならない。
 寒いとガタガタ震えなければならないのに我慢がならない。
 時間が経過すれば腹が減るのに我慢がならない。
 金を稼ぐ為に下らない労働に身を窶さなければならないのに我慢がならない。
 自分のこの体の重さが我慢がならない。
 風邪を引いたり熱を出したり花粉症になったりするのに我慢がならない。
 白昼堂々狂人共が訳の分からないタワゴトを声高に叫んでいるのに我慢がならない。
 自分の認識限界が余りにも狭いことに我慢がならない。
 日常の瑣事、これ皆全て私の敵に他ならない。細々とした俗事にこれ程までの時間と労力を注ぎ込まねばならないのかと思うと気が遠くなりそうになる。何故この世はこんなにも無駄で非効率的で非合理的で救い様も無く馬鹿馬鹿しいのか。何故皆こんな牢獄に首を繋がれた儘嬉々として白痴の様に日々を享受しているのか。まるで治療する側の者が誰一人として居ない巨大な精神病院へ投げ込まれた様だ。ここから出る為の鍵は誰が持っているのか、何処にあるのか。とにかく一刻でも早く何とかしないことにはこっちの気が狂ってしまう。


0826.
音の正体が振動であると云うことが許せない。それでは、私のイメージの中でだけ捉えることが可能な、何処まで行っても真っ直ぐで純正な音は、その本質上不可能なことになってしまうではないか。


0827.
生温い微風が絶えず吹き付けて来る様な日常。籠りがちな熱を追い払い、私を窒息から救ってくれる程度には役に立つが、決して、決して私に充分に息をさせてくれることは無い。私が(こうべ )を上げている限り、その不快さは途切れることが無い。


0828.
政府とマスゴミが一丸となった、国民を字の読めるだけの底抜けの阿呆にしようと云う国民皆愚政策は、今や華々しい大成功を収めつつある。シャンペンの栓でも抜くかピストルで頭をぶち抜くかしてお祝いでもすべきだろうか?


0829.
戦争:軍隊が存在すると云う事態の当然の帰結として起こる人権の軽視、或いは無視。また、それを合法的乃至超法規的なものと見做そうとする行為。


0830.
人生:間違いに始まり無理解に終わる、一連の勘違いの婉曲表現。
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