0797.
無論基本的人権は、あらゆる人間に対して認められなければならない、不変の原則であり、その条件を満たす為のサーヴィスもまた、万人に対して開かれていなければならない———金さえ払えば。


0798.
「世界の警察」について言えば、その実現の可能性を真剣に考えてみても良いのではないかと思う。取り分け、「世界の警察」を自認している連中が大きな顔をして好き放題なことをしている現状では、国際法的に正当な手続きを経て認可された機関に、各国家がその武力の行使の権限並びに武力そのものを含めた諸力を正式に委譲することが肝要である。個人的には、それは国連安保理事などと云う不安定な駆け引きの場の上に置くよりも、国際司法裁判所、或いは国際刑事裁判所の下位機関として置いた方が良いのではないかと思うのだが、まぁ私は国際法の制度的側面については余り詳しくはないので、その辺はお茶を濁しておくことにしよう。とにかく何よりも先ずは、「世界の法」を判例として成立させ、それに実効力を持たせること、「法の支配」を個々の国家任せにしないことが目指されなければならない。小国の抱える問題が後回しにされたり、大国の利益が法の遵守を上回ったりすることがあってはならない。


0799.
適切な投資をしておけば、人権は金で買える。


0800.
政治の暴虐に対して自然法としての人権が対置されるとするならば、欲望の暴虐に対しては自己立法としての人権が対置されるべきではなかろうか。そう云う時期が来ていると、私は思う。


0801.
ヒトが人間と成るのは他者の眼差しによってである。人間が一個の精神と成るのは、己の眼差しによってである。


0802.
新生が期待出来ない者にとって、破滅を待ち希うのは至極当たり前の感覚ではなかろうか? 尤も、世界はその者が望む様には単純に出来ていないのが悩みのタネなのではあるが。


0803.
私があの時取り逃した世界の感触は、若しや違う選択肢を選んでいたらひょっとして………と考えることが無い訳でもない。だが残念なことに解っている、私が生み落とされたその瞬間から、それは諦めねばならないものであることを。
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