0551.
カネの為に働く、つまり「労働」を「資本家」に供給する、つまり、止まると死んでしまう博打打ち共の為に自らの肉体と頭脳を売り物として差し出す、と云うことは、明らかに人品を卑しくする行いである。だからして、生徒やら学生やらに職業指導をしつつさも有難そうに人生の目標だの展望だの御立派な理念だのについてデタラメもいいところのことを並べ立てられる教師と云うものの存在が、私にはどうにも信じ難いものとして映る。


0552.
そもそも子供を作ると云うことは、と云う普遍的な問題はさて措くとしても、今こんな情勢下で子供を生もうなどと云う人間は、きっと気が触れているのに違い無いと私は思う。さもなくば自分達が日々作りつつある厖大な借金を、その中の誰かが何時か返済してくれるものと見込んでいる訳なのだろうか。それとも、自分の退屈が凌げるならば子供の教育や未来のことなぞどうでもいいと考える、或いは考えられない、余程の短視眼なのか。何れにしろ、とてもまともな神経の持ち主とは思えない。


0553.
何時窒息してもおかしくない様な呼吸をして生きている。言うべきことが殆ど無いから、それでも大抵の場合は問題無く過ごせる。


0554.
玩具箱の様な町へ行って来た。唯ひとつ大きく違うのは、それが余りに整然とし過ぎていると云うことだ。夜程お行儀の良い子供でもない限り、自分の玩具をあんな風に片付けたりはしない。


0555.
気分的な物言いにあっさり屈してしまう時と云うものがある。今が正にそれだ。どう仕様も無く………どう仕様も無い。


0556.
何時頃か知らか、人類はカネと云う名の万能翻訳機を手に入れた。しかもその言葉には魔力が籠っているときている。


0557.
やはり私は、どう仕様も無く、この世界を愛している———そう思ってしまう瞬間が確かにある。

 ———Life is BLOODY wonderful.
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