0442.
名前も身分も偽って、敵国の直中で暮らしている気分。出口無し。
 私を暴挙へ駆り立てるには、後一押しあれば済む。


0443.
人間と云うものを観察していると、日々驚きの連続だ。よくもこれだけの愚行の数々を編み出せるものだ。


0444.
君の頭上に、いやあらゆる方向に、途方もない星空が広がっており、今は唯見えなくなっているだけなのだと云うことを思い出せ。そうすれば、正気であろうとする気持ちを保ち続けていられる。


0445.
思い悩むな、諦めろ、謙虚になれ、絶望を受け入れろ、所詮お前は神ではないのだ。


0446.
直る見込みが無さそうなのであれば、傲慢であるのもまあいいだろう。だがその傲慢を笑うユーモアだけは決して失ってはならない。その先のことはまた今度考えよう。


0447.
自分が殺して来たものどもについて悩み過ぎるな。自分が見て来なかったものどもについて悩み過ぎるな。我々の手に負えないことについては、無責任であってもよいのだ。


0448.
私の乏しい経験から言えば、魂を恐怖によって一瞬に絞め殺すだけの力を持つもの………それは美だ。美こそが、我々が最も恐れるべきものだ。


0449.
理性と想像力の自己忠実を裏切らないこと………その一点さえしっかり守れているならば、その他の倫理的諸問題は全て派生的・個別的なものに過ぎない。


0450.
来年のことではなく、百年後のことを考えろ。人にはそれぞれ適性と云うものがあるのだ。
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