0350.
アメリカの対外政策に、次の歌の歌詞を思い出す。「♪トムとジェリー、仲良く喧嘩しな………」。恐ろしいことに、トムもジェリーも、何時かはトムがジェリーを捕まえて食べてしまうのだと云うことが解っていない。現実がそんなバカげた予定調和に上手く収まってくれると、連中は本気で考えているのだろうか。………どうやらそうらしいのである。


0351.
確かに君は、現時点に於ける私の最上の友人だ。だが、君と楽しく議論を交わしたいとは思うが、決闘したいとは思わない。恐らくその辺が、我々の限界なのだろう。


0352.
最初から全てが失われている世界に於ては、喪失のみが、唯一確実に生きている実感を与えてくれる。少なくとも、私の乏しい経験から言えばそうなるらしい。


0353.
思春期の割と早い時期に於いて、私は無能ではあったが賢かった。よって、不幸でこそなかったが、あたりきの幸福とは私は無縁だった。不運としか言い様がない。


0354.
実に強いフォースが共にある者をいざ射程内に収めてみたら、突然何処の馬の骨とも知れない、ケチな密輸品の運び屋風情に横槍を入れられて、本来あるべきだったコースから大きく逸脱して孤空に放り投げられてしまう………。日常生活でお目にかかる大抵の"What!?"と云う呟きには、この時のダース・ベイダーと同じ阻害のモチーフが込められている。


0355.
 極く早い時期に人間への興味を失ってしまった。
 申し訳ない。
 この謝罪も心からのものではない。


0356.
姿見を見る。むかつきを覚える。こんなものの為に私は毎日食べて、寝て、金を稼いでいるのか。
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