k-m industry
0328.
音楽を構成する主要要素の内、リズムと和音は対極にあるが、どちらもそれ自体で一個の音楽を構成することが可能で、超越への契機と成り得る。


0329.
今日も私は鬱として止まない。いい加減飽きてもいいのにと思う。


0330.
存在の断章がバラバラと投げ出された世界の中に佇む。何もかもが継ぎはぎだらけだ。一貫してsolidなものなど無いし、あったとしても動脈硬化に陥っている。


0331.
国家と云うものが数ある一勢力形態に過ぎない世界*を想像してみる。個々人からして既に分裂している以上、「総意」などと云うものは幻想なのだろうか? 闘争こそが政治的決着の唯一の方途なのだらろうか?

*と、そう合意されている世界。


0332.
若しここが駅だったなら、「済みません、間違った電車に乗ってしまったらしいのですが」とでも駅員に言えば済む話だろう。だがここは………


0333.
滅び、消え行くものへの哀悼は、真っ当な、健常なものである。ではしかし、一度でも生まれたことのないものへの哀惜は、偽りと評さるるべきだろうか。


0334.
ひとつの肉体しかない筈のところに、ふたつの権利が発生する。妊娠とはそう云うことだ。生命を所有と考えるのか、不可侵のものと考えるのか、何れにしろ下らぬジレンマが母と云う名の不完全に絶縁された個体を襲うことになる。しかも彼女達は、ふたつの立場が同一線上にあるものだと云うことにさえ気付かないことが多い。


0335.
猛然と自分の尻尾を呑み込んだ蛇、それが私だ。仮令それが自分自身を呑み尽くす結果に終わろうと、後悔なぞするものか。これが私なのだ。
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