鳴き声に浅い眠りより目を覚まし
  朝の訪れを疑う私



何故だろう私は既に生き切った
  残骸が懸命に駆けて行く



何処であれ私にとっては異邦だと
  歩く道毎にじわり感じ取る



悲鳴にも色々有って私には
  呟くか黙り込むかだ



己が身を搾取し尽くして獅子はまた
  奴隷の夢を夢見斃れる



自分から罠に掛かりに行く鳥の
  羽を捥いでやるお望み通りに



何も見えぬと騒ぐ老爺を見てみれば
  両手でしっかり目を覆っている



幾つもの星霜を渡り鬼は尚も
  何も見まいと火と成って駆ける



弱風に冷汗は拭い切れないで
  溶けた路面に虚像が聳える



大人しく鎖に繋がれて在ると
  証明書を財布に忍ばせる



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