湧き起こる抵抗の声を遠く乗せ
  風の怒号は緯度から緯度へ



猫がまだ見ている路地の曲がり角
  何かを思い出しそうな月夜



じんわりと広がる血溜まりを見て何も
  感じずサンドイッチを頬張る



隔離され切り離されて目も耳も
  塞がれた儘でもの食う老婆



金融化される世界の足下で
  大声を上げてクルーソーごっこ!



喧騒の中に静寂爆弾を
  持ち込み途方に暮れるテロリスト



瞬間に生きた私の存在を
  コンパスにして言葉を紡ぐ



偽りの中にそれでも真実で
  あるものを見て目を手で覆う



病得て体の重みが判る頃
  雲に成って散りたいと思う



寒気には気高いこころなぞ無くて
  唯ひたすらに惨めで空ろ



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