黄信号が夜の通りを照らし出し
  「進むも止まるもお前の自由だ」



畜生奴狂った奴等に背を向けて
  山に向かって歩いて行きたい



来いよほら目玉刳り抜く腐れ町を
  逃れて明日の星座を捜そう



真新しく更新された憤激が
  恐怖の坂を転がり落ちる



自分から檻に留まる村人に
  うだうだ構ってなどいられない



死んでいる魚の死体の目をほじる
  何んにも映っていないその瞳



残雪に透ける恐怖に春を想う
  先へ進めぬ私の怯懦



捲られぬカレンダーを前に立ち尽くす
  今日は戦争の後か先か



解放を祝う声から遠い地で
  自堕落な民は貪るばかり



広大な他者に囲まれ生きてゐる
  若い老人達の絶望



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