林道に根を張る恐怖が薄暗い
  視界を覆い私を包む



横日差す木立の間を逃げて行く
  丈高い薮が行く手を塞ぐ



汗は冷え陽は傾いて影が生え
  熱籠りする脚に鳥居が見えない



夏休み最終日なのに宿題が
  何なのか未だ判っていない



目を閉じて皮膚の輪郭に耳を澄ます
  居るのか私はこゝにこうして



幻日が血の浸透を拡散する
  虚言の巷に目眩を覚える



余りにも容易く嘘に騙される
  彼等の何処に民「主」主義が?



食道と化した彼等の目の前に
  広がっている仕切られた荒野



濡れ切ったシューズを引き摺る足が重い
  ここも私の居られぬ荒野



立ち止まり騒音の中の静寂を
  聴く陽は既に高く熱い



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