幾らでも尽きること無く気散じの
  種は僕等の居場所を削る



電通が教えてくれる道徳律
  「決して疑問を抱くこと勿れ」



眠りこける愚者達の国で足音を
  忍ばせて私は山頂を目指す



隙間風遠い大地と繋がって
  あらゆる時間に浸透して行く



何時までも居残る除雪の跡の山
  春の日差しにたゆたう怨嗟



紅の闇が爆発したがって
  秒読みを始める鬼が昂る



忍び寄る刃の前に身を投げて
  知っていたんだと笑ってみせる



勝ち誇る愚昧ばかりの春が来て
  原稿は未だ完成せず



行き止まる街をぐるぐる散歩する
  勘違いした振りを続ける



未だ咲かぬ桜の皮の暗黒に
  不穏の季節の到来を知る



inserted by FC2 system