地上とはリズムのずれた日曜日
  死者達がまだ首を締め上げる



ハッとして風に耳を澄ませるや
  流れ聞こえる死産児の群れ



ねふかけの悪鬼そこらに満ちてゐる
  静かに静かに激発する夏



黄昏の中に集へる闇ひとつ
  まだ大丈夫だと唱えてはみる



ひっそりと今日も流れるドブ川の
  上を通り過ぎる酔った振りして



息を詰めて両手で囲う灯に
  見たのは何の未来だったのか



見渡せば廃墟ばかりの街に居て
  まだ生きている 空を眺める



目が覚める何かを必死に憎みたい
  インコの声にぼんやりと戸惑う



遠くなる空に別れを告げるのか
  次にはどんな空が来るのか



流し台洗う老人の背中には
  闇がこびり付いている澱の様に



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