(くら )い夏売国奴達の群れる村
  遠くに見える腐ったどぶろく



悍ましき大衆の群れに常に独り
  疲れた嫌悪に今日も挨拶



肉ばかり何を騒いでみんとてや
  ポコポコ産まれて生く茸のごと



日々何を着るかと迷う莫迦らしさ
  思わぬ子等の異形の顔 (かお )



憤激の余りに涙を流す夜は
  兄弟姉妹の海を夢見る



遠のいて行く愚劣さにあかんべえ
  尻蹴飛ばして怒鳴ってやりたい



犬居らぬ羊の群れを見る度に
  逃げ出したくなる私は卑怯か?



上滑りする台詞もどきの数々を
  押さえ付けて街中に出る
    何と息苦しく滑稽か



昨日の狂人の顔色を
  今窺って明日出直す
    そんなばかりの国に住んでいる



くるくると回る一面の風車
  囲まれて唯一人戸惑う



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