我々を牽引し行く白い力
  燃ゆる黄昏オリオンを呑み



未だ来ぬ死霊の恋の復讐に
  明日は消え行く独り暮れ行く



引き裂かれ断片化した分人 (ぶんじん )
  生を生きつゝ我我を想ふ



人間の成れの果てとて余りにも
  悲惨なると見る怒りと失意



斯く成れば旅路の果てのその先の
  地獄の底へと我は参らむ



死者もまた愚者をば嗤う術覚ゆ
  なれば境の淵覗き込む



項垂れて言葉の儘に書き綴る
  小さき絶望我そこに在り



彼方には未だ知らぬ空が広がれり
  先取りされた絶望もまた



弱けれど弱けれど猶生きたいと
  足掻く葦草野中に一本



暁に貪る惰眠心地良く
  夢の筋書きまだ憶えてゐる



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