またしても挫折ばかりの道行きよ
  その存在が寧ろ嬉しき



降り積もる私の言葉の寄せ山に
  飽く枯る心は朽ちて行くのか



登山して登るばかりの曇り空
  されど登って何をしたいのか



今日はまだ終わっていないと時計見る
  秒針の音を順に数える



我はまだここに存在してゐると
  保証せしもの見渡してみる



混乱す今日の枯れ木に水を遣る
  駄目と解っているのに何故か



またひとつ言い訳が消えて行く今日
  百合の香りはむっと噎せ返り



恐怖せしものどもをまた従えて
  分刻みの夜を独り乗り切る



何故だろうこの一枚のタオルにも
  万象は尚宿りしものを



幻の躯の熱く火照りたる
  彼方の法悦遙かに遠し



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