白い息炎の魔力凝っと見る パチパチ燃ゆる冬の日の午後 |
灯の中に昏く浮かべる雪の雨 最深の夜が更に更け行く |
炎には魔力有りやと思ひつゝ 翳す手に感じる熱の痛み |
額縁の中で見返す目ふたつ 私の中を見通してゐる |
深更に氷柱落ち行く音がして 寝返りを打つ狂へる私 |
年明けの空に響ける不協和音 私の言葉が又溢れ出す |
拾う隙も無く零れ落つ言の葉を 燃やす手立てに夜を悩ます |
うらぶれて白々とした空見上ぐ 白鳥の声響くばかりに |
群れ集う雲の隙間に我は行く あの彼方より光の柱 |
惨劇を待ち望む我こゝに居て 空に向かって立ち、吠えてゐる |