噴水の大絶叫を聞き乍ら
  サンドイッチを頬張って、朝



寒いなと首を竦めて足早に
  道行く我の荒ぶ嬉しさ



夕靄の彼方の虹の絶叫に
  街は遠く遠くに成り行く



監獄へ通う我等は労働者



飽く枯るゝ地平線のその向こう
  更に破って進むその先



寒い朝既に終わった風景の
  中で見えなくなった星空



沈潜す大戦前のその気鬱
  美と快を信じられぬみどり児



胸開き裂けよとばかりに宣言す
  私と云う混乱はここに在ると



凝っと見る死んだ視線のその先に
  雪降り積もり白く更けて行く



墓穴は今更最早不必要
  目路の限りに凍った世界



inserted by FC2 system