「惰性でも取り敢えず生きて行けるのね」 そう言った君の目に浮かぶ微笑 |
美しい死の風景の中に居て 何か見詰めて佇む私 |
悍ましきことのみ我等分かち合い ぐだぐだ崩れて行く今日の今 |
狂い咲く死に枯れ山の頂で 泣き出す様に異人が笑う |
ユートピア見たことの無い顔をして 買い物リストをチェックしてゐる |
極端に限定された未来図を 見ることに慣れて今日を失う |
ぐったりと後ろ手に扉閉めてみれば 挫折ばかりの明日が広がり |
生活の哀歌ばかりを連なれり 余りの近さに頭を抱え |
悍ましいばかりの日々の勤めにて 食い荒らさるゝ内臓痛し 異郷の壇上拍手響かず |
見てゐたり忘れ去られた昔日の 河原の面影冬の陽高く |