朝定食掻き混ぜる度にみじめさが込み上げて来る帰路の(わたくし )



何人 (なんぴと )も救えない儘只無為に
  朽ちて行く身の何と呪わし



朝霧のうねり都会の上を這い
  聖化されざる夜明け見下ろす



悍ましい日々でも何故か生きてゐる
  希望は何かと考へてみる



ひたひたと孤憤の中に身を沈む
  夢を見なければ生きて行けない



ぞわめいた襞の後ろに目が覗き
  蝕んで行く綺麗な顎を



逃げ出して更に際限の無い地獄
  溺れ乍らに声の限りに



きっと見て貴方誰かと問ふ声は
  私のものか彼方のものか



何をする気にもなれずに只座り
  生きる代わりにテレビを眺め



世の中が液晶画面の向こう側
  流れて行くのを凝っと見てゐる



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