終末の彼方の淡い発光を
  見乍ら進む人の世の果て



弔鐘を遠くに聞きて我は又
  夜へ彷徨ふ当て()知らずに



物音に眠り殺され気が付いて
  みれば終わりの見えない悪夢



何か聞く小さな蕾開く音
  かと疑ってみる(くら )い夜



振り返る空白に目を奪われる
  沈む世界に呆然と叫ぶ



静かに私は怒りを叫ぶ
  無人の雪の景色の中で
    薄闇は何故か哀し気に憂く
      嗤笑の声が遠くに響き



佇んで昨日の風景を見ている
  枯木に拳叩き付けて



吐き戻した生活の澱に血が混じる
  布団被って「今日はいきたくない」



魘されて嫌悪露に目が覚める
  人の顔を消してやりたい



見よあれをあの暗黒の頂を
  無限宇宙の微かな声を



inserted by FC2 system