望まれて小さな星と成りにけり
  死せる友には口も無ければ



書き直し利かぬ油性ペン持った儘
  何んにも書けぬ私変わらず



重ね積む延べ広がった影の下
  復讐せむとて我は叫べり



雪載せて昼夜の出来た枝々は
  初穂のごとく風に揺れなむ



無為にまた過ごされて行く午下がり
  快晴の下で膿んで弾けて



血を吸って青い桂も赤く成り
  散り行く少年の日の盛り



緑道に鴨は群して啄めり
  冬の故郷は奇妙に遠く



垂れ込めて延べ広がって行く土曜
  心騒いで本を手に取る



氷棚轟音立てて日が昇る
  人の世の何も有らぬ夜から



苦しくて溜息ひとつ吐いてみる
  星が私を呼んでいるのに



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