味噌汁の大根食んでペンを()
  大根の為に胃と成る私



自転車のペダル漕ぎつゝ肉体を
  拡大させ行く拡散させ行く!



無為に座す重く広がる密雲に
  雨の訪れ期待し乍ら



天駆ける無間旅行の幕間いに
  うっかり降車してしまって独り



見えずともそこに在る筈のオリオン座
  成立している筈の形



西風に木々のざわめく音がして
  誰も知らない私は森へ



芳木 (ほうぼく )に祝福された様な気が
  して涙堪へる帰り道



暗雲を裂く笑みばかり不敵に笑い
  天上の光差し放つ



波間より不穏の山は浮き上がり
  殻を割らむとつゝき始める



一度でも見たこと無くば話せない
  星空について何を語らん



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