侮蔑の目向けた刑事の二分法に 嫌悪と共に愉悦覚える 優越と義憤冷笑と羨望 |
肉の香を知り初めし頃の今時分 私はもっと生きてゐたろうか |
今日もまた頭痛抱えて目が覚める 頭かち割って死にたい気分 |
世の悲惨まだまだ有れど今は先ず 明日の食事を何とかしたい |
ヒクヒクと愛想笑いを貼り付ける 探偵小説を書いてみたくなる |
顔上げて街の汚れに透かし見る 堕落しそうなカシオペア座を |
道化役ばかりが群れる死んだ街 観客席は空っぽの儘 |
介添は誰に頼むと言ひ残し 花嫁探しから戻らぬ男 |
元気でと手を振る友を見送りつ 溢れる涙の芝居ッ気に酔へず |
昨日誰かと待ち合わせ 何処で 相手の顔も覚えていない だけど確かに約束はした この痛みこそその証 その筈だ |