濁り目の儘光り来る明けの空
  今日一日の惨めさ思ふ



名も持てぬ死産児達の虐殺を
  経てこそ今日も又生きてゐる



何か為し ( )て生きてみよやと思へども
  背中の目玉が又何か言ふ



うっとりと昨日の私が呟いて
  共犯のサイン求めてねだる



血袋を提げた逆上せし蓮が
  池を覆へり飢えて吼え猛り



貪欲な羊であれと人は言う
  肥え太ることのみを信じよと



ペン先が動いた時にはもう影が
  ブレる私の子供は何処 (いづこ )



申し訳程度に開く光る雲
  都会の底で静かに狂う



少しだけ振り向いたその眼差しに
  戦慄 (わなな )き悶え言葉失い



見上ぐれば細目で嗤う巨岩石
  ハッと振り向く言い訳を考える



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