どろどろににごった膿のかたまり |
疾駆する天の下にて我はまた ぽつねんと独り取り残されて |
涙目でひゃっこい氷ほおばって 小さな夏の反逆日記 |
境内に金魚の墓をつくりをり つゝじの蜜を吸ってかくれる |
葉っぱ食う白鳥達に罪は無く スケッチブック置く我の失楽 |
生白いカシオペア座の輝ける 下校路の空 |
こそげ取る宇宙の表皮ぼろぼろと 落ちて覗けるみみっちい顔 |
一言のひとつ仕種の背に億の |
伸ばされて千切れたまゝの手のやうに 光は露となってかゞやき |
頭上には大空在りと思へども この肉体の暑く重くて |