耐え難い目的地欠く旅路にて
  存在剥落の風味味わう
    星見えぬ空に歯茎軋んで



交叉するサーチライトの傷口の
  中に立つ火と踊る愉しさ



見に来れば座礁敢え無く沈没す
  セイレーン付きの北斗七星



十字路に立って雨受けずぶ濡れる
  あやかしの火の誘いゆらめき



肉千切り放り投げ投げ唄うたう
  「小さな地獄小さな極楽」



惨めさに地に這い土を舐めてみる
  苦いばかりで空遠くなり



気忙しい監獄の底の蟻の穴
  列成す鬼の牙に嫉妬す



群れ集う俗塵の人の影混じり
  何時しか人の形消え去り



星消えて硬い形は塵と散り
  全て死につゝある夜の彼方………



残響に悲鳴聴き取る夢名残
  無情にも又夜は明け行く



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