顎開きぼりぼり割いて肉を出す
  押し固められた小さな激怒



インスタントのコーヒーと
  故郷喪失者の孤独
    日溜まりの中でちびりと味わう
      この空の下異邦しか無く



〈恐怖原理〉の名の下に
  今日も私は恐怖する
    充分に小さい足掻ける私が



そよ風は悪夢と共に来たり 春
  地獄の宴身を投じ 見る



陰夜越え聖化されざる朝明ける
  今年一年どうぞ宜しく



蛆に頬食い破られて食事する
  崩れる一方の脆い日々



光と熱と小さな祈念
  音と煙と儚い墓標
    過去と未来とどちらを見ても
      何れ現在の影に惑ひて



目も綾な恐怖まとひて狂い咲く
  水仙の野の我頭垂れ



身に絡む汚水溜まりの虫の群れ
  狂人共の食卓に着く



暗闇で世界を作り出す言葉
  ぶつぶつ呟いて我は神と成る



inserted by FC2 system