黄色い星空爛れて溶ける 腐った愛がべちゃりと潰れる 昨日の飯は虫に喰われたか 砂糖の塔は怒号上げたか |
振り返る私が居ないのを確かめる |
解けない主客のもつれ誘惑を 感じても尚手を出せぬ我 |
躓いて天と地程も離れたり 小さな贄が無数に犇めき |
顕微鏡で覗いたやうな皺の雲 無窮の天の陰影遙かに |
段々を成して憂鬱溶けにけり 広がるよじれを美しいと思ふ |
残雪に居残る轍汚された 大地の上に立つ甲斐も無く |
日を紡ぐ腐爛死体と成り果てる でくでく歩いて行く砂漠地帯 |
荒野へと吹き飛ばさるゝ暗室の 中で写真を切り刻む私 |
懸想して空の蒼さに目を瞑り 風吹けど尚死体居残り |