壊れた人形と時間の欠片
  繋ぎ直して記憶を紡ぐ
    何処へ行ったか赤鳥の羽根
      極点に〈魔〉の(いだ )せる刻限



手の平の生温かい悍ましさ
  君と重ねて対決はじまる



見詰め返すその眼差しが恐ろしく
  顔を背ける手を振りほどく



残骸の中に居残る眼差しに
  虫と成りたる我の亡霊



死に掛けのふたつ互いに喰らい付く
  誇りと業と尽きせぬ意地と



飛翔する君の中にも星ひとつ
  天国と地獄共に宿して



矮小な重圧抱いて床に就く
  夢に遊べや一労働者



恐怖にも貴賤は有りと四苦八苦
  意地と言い訳何と不様な



反発の心は今だ地上にて
  ぐっすり眠る奇型児あやして



紅葉に私と腐敗の色を見る
  巨人の内臓()ち撒けた山



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