かなしみの布陣整へ悪態を
  吐く我の目に無数の銀河



歯噛みしてボールペンの尻砕き取る
  どうにも表せぬこの怨嗟



息固め握る拳をポケットへ
  どんどん積もり行くみぞれ雪



精髄を濾して怒れる明けの夜
  やがて巨人の忌みと地平線



妬むな 君よ 嫉むな 君よ
  君も何れは 死ぬのだ 嗤え



渇いて喉に木霊の残骸
  濁った瞳に光に腐汁
    あなたいつまで生きられますか
      狂って叫ぶのが先ですか



げこげこ鳴いて山中 (やまじゅう )に愛を
  ひっくりかえって空に小便を
    好きな紫陽花むしって食べて
      君の腹割いて歌分かち合おう



小春日の他者無き里の噴水に
  腰掛け牛乳飲む我と空



水の錆臭う私の罪と業
  流れる先に知の下水道



寒気にも似た陶酔に笑い転げる
  死んでゐるのに生きてゐる振り



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