朝雲に死せる(かばね )は墓の中
  寝不足の目に発光映じる



だれとゆく遼遠の雲貧土にて
  眠い胃袋きりきりと痛み



暑気の下言葉詰まって一塊の
  肉となりにし愚の愚の世にて



優しい季節に憂いを忘れ
  私は根付く羽根の寝床に



だゝ漏れに消費され行く誕生日
  金と時間のありふれた命題



悍ましい夜の最中に日は暮れて
  益々深くなり行く真闇



消しゴムで薄めたやうな夕闇の
  中に俗物の我唯一人



カッターで骨まで抉りたい豚奴
  ぶくぶく肥えて白痴染みて



怨恨を夜へ解放して叫ぶ
  歩く高架下のオスティナート



詰まらぬことで詰まらぬものに
  拘束されて行く日々の(たば )
    ぐつぐつ煮える火口の縁へ



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