霜と悪不様な布陣の白い朝 凍る地面を踏み締めて歩く |
神々を呼んで山端に黒い影 見る冬の空枯れ行く焼け日 |
風苦し濁るばかりの街の雨 恐るゝばかりの山ぞ恋しき |
無軌道な解体作業に加わって 途方に暮れてゐる残暑哉 |
諦めて関門手前で引き返す 留学生には成れない私 |
帰り道濡れる歩道に鬼ひとり 無人の公園震えて深夜 |
広がれる不穏の音が脈打って 少年の春は爆発を求め |
辺縁へ広がる町の凋落行 知らねば良かった更なる悲惨 |
さっと裂くかじわっと溶けるかの様な夕焼けは 尚赤くなりざっくり割れる 遣り切れぬ不安地に |
切れぎれに言葉重ねて駄作生む 稼ぎに疲れた頭白濁 |