烈火山知らぬ顔して地を造る
  星更に知らぬ顔して瞬く



純粋な結晶結びたいと思ふ
  せめて輝き照らしたいと思ふ



陰を()す光不穏に空の果て
  浮かぶ巨大な手の成れの果て



風欲しく金魚のやうに口を開け
  たった一個の器官と成りぬ



我が瞳見よや愛する眼差しよ
  存在を賭してその極限まで



段階を分けて私は認識す
  私が存在している事実
    宇宙の連鎖の事象のひとつ
      繋がってゆく体系の中へ



(うろこ )雲眠い(まなこ )に日は辛く
  頽廃して行く朝の熱風



浄化への誘惑強し橡の花
  二律背反を背負って生きる



何方道 (どっちみち )選ばねばならぬ狭き道
  幽霊船の如き思ひ出



夏去りぬ残暑待たずに覆い来る
  入道雲に舌出す私



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