暑気に脳やられて我はバタンキュー
  追っ付かず影を踏み踏み暮らす



爆発する白い雲
  蝉の声に残照
    こびりつく血の色

            夏が来た



バラバラになって私はクズの山
  バカの相手も億劫になる



大人しい夜の息衝く狂気
  街灯の下で影を繕う
    私は二つに分かれ彷徨い
      明けぬ暗闇じっとりと濁る
        乗っ取られた目よ振り返って見よ
          鏡成す闃とした静寂
            起こる悪寒に嫌悪を示せ
              蛆に食い尽くされるその前に



目に見える(しるし )無けれど確実に
  腐敗進めり我が胃の腑にて



塵芥の中に我等は生まれたり
  不様に汚れ転がり埋もる



目の前にある天門に背を向けて
  何処へ行くのか小さき塵よ
    誰を言ふやら不図考へる



雨垂れの戦慄我を砕きゆく
  冷戦状態の世界と私



よたよたと(よぎ )る黄揚羽見送って
  我とずぶ濡れた頁と独り



またひとり狭苦しこと言ふ輩
  阿呆な世にぞ生まれけるかも



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