畜生奴渦巻く空の雨に呪詛
  蒸し暑い午後汗と私と



キッと見る猫撫で声の腐肉塊
 ハイエナ共に唸り威嚇す
   我は小さな溶けぬ固定点



礎に何の遺体が埋まりゐるや
    高々と華々しく誇らし気に
  ごぼっと血を吐き汚濁に漬かる
    醜悪な恐怖にぐるり包まれる
      断続的な闇の中に座り
        引き裂かれるのを只凝っと待つ
          大いなる呪詛よ夜を迎えよ
            反抗の矢を虚空に放て
              やがて腐ってゆくこの身ならば
                破滅呼び込み何の悔いありや!



筆跡をなぞり余りの小ささに
  せめて大きな言葉書きたし



雲間より覗く退屈に手を振って
  働きアリは今日も自嘲す



螺旋巻く日々の暮らしの凡庸さ
  余りの狭さに苛つき止まず



風景の中の異分子と成り果てり
  墓園の門の前の眼差し



光皆光背背負ってゐる雨の夜
  狂い死にする生命の過剰



雷にざくり内臓破れたり
  じっとり暑い割れそうに痛い



言葉枯れ無色透明無味無臭
  群衆の中に(うず )もれてゆく………



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