畸形児として訳も無く生まれけり



切り捨てた空が(あっ )して来る時間帯
  責める無言に消え入りたくて



纏まらぬ肚を押さえて蹲る
  やっと残ったのは断片と散文



塵芥の如き日常の中に居て
  目が腐ってゆく声が涸れてゆく………



たゆたう海に 牙
  広がる空に 目
    ざわめく森に 声
      沈む夕日に (かいな )



形に成らぬ欠片を繋ぎ
  鈍い暑気の中を歩く
    頭痛に言葉はパラパラと割れて
      ゴミと化す道を行く
        死体も同然の湿気と曇り



枯れた木のやうに私は素っ裸



摩滅する日々がどろどろに溶けてゆき
  我は変わらず太鼓持ちの真似



冷たい風の小さな快美
  寒い雨の日唇青し
    鈍い頭痛に自虐の笑みを
      落つ雨垂れに慨嘆の火を



凄まじく出口求めて暴れたる
  我の心と鬼火ぽつんと



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