悪罵買う森の小径を独り行く
  雪に埋もれた屍体掘り起こす



根のごとく怒り震わすオニヤンマ
  子を生み死んでゆくだけの棒



「うんざりだ」そう吐き捨てて投げ出して
  袖に引っ込みたい夏の午後



観念によって成り立つ風景の
  我は住人どうとでもしろ



泥濘の底に沈んで行くだけの
  肉の塊と成る夏盛り



下らないどう仕様も無く下らない
  生まれて消えて何も知らない



風が出て澱む私が揺らめいて
  ぐつぐつ煮える熱気の中で



結局はうんざりの海にたゆたって
  流して戻して融けて混ざって



奮い立つ蜘蛛が頭に巣を張って
  官僚制度のごとくに踊る
    見物人は大喝采し
      台詞はスベテに検印済!



言葉途絶え蒸して薄める夏の午後
  轢かれたガマの頭部は何処 (いづこ )



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