証拠など残さぬやうに日々生きる
  詐欺とぺてんで成り立つ日常



筋肉の如くにうねる芝生見て
  不快隠せぬ風の日の獣



半分は灰半分は水色の
  空の境の下に立つ我
    日差し紛れて混濁するやら



蛸の如くに豹変す
  大気の匂いへばり付く
    窮屈そうな風に尚
      叩き付けたる雨の檻



死んだ午後風の途絶えて照り返る
  ノイズばかりが耳を()いて大きく



大口で哄笑し月は還りたり
  吹きすさぶ風に錆びた鉄の味



引っこ抜く白詰草の茎の下
  (わらべ )人形は倒れてゐたり
    泥に呪詛する微かな記憶



悪鬼めく喚き散らして倒れ行く
  火の証明に誰が署名す



寝不足の(まなこ )擦りつ呪詛込めて
  ベッド以外のものに対峙す
    鈍った刃で生殺しにす



畜生奴!そう呟いて目を覚ます
  目を閉じる時も全く同じ



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