舞ひ上がれ芽を出す前のちっぽけな
  頭痛の種を天まで払へ



見よやこのげにあさましき口と舌!



降り積もる星空の闇まだ深く
  惨めに転がる虫の一匹



握り固めた拳にひとつ
  金の算段溜息ひとつ
    眠い半眼怨嗟がひとつ
      天を見上げて嘔吐万象



やがて鏡も割れて候
  老いは侵蝕続け候
    何処へ逃げても無駄と知りつつ
      嘆き悲しむべきかと存じ上げ候



山寺の騒がしくなりて後にする
  無言の催促に(まなこ )は潰れ



酔ひ足りぬ陽気のやうに夜は更け
  崩れ去りたるものみなの(たが )



悔しいか柘榴 (ザクロ )の中の黒い岩
  割れた胎内に末路が顔出し



裏枕ジッと見詰むる手の黒い皺
  品位折らるゝ日曜の午後



阻害さる生活の糧にひざまづく
  怒りの拳を何処へ向けたやら



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