向日葵の種を齧りつふと想ふ
  斜めに横切る季節の不死を



春うらら溶けて消え去る死の形
  日向ぼっこの影と戯る



一瞬の引き延ばされて永遠の
  中に住まへる小人と道化



どうしても退かぬ覚悟と知ればよし
  血の祝祭もて祝う言明



日の暮れて尚書の読める嬉しさよ
  深々と夜は更けてゆく独り



辞書を裂き落ち葉拾いに行く我よ
  何処へ行くのか傘も持たずに



無記名の「作品」として成り行くか
  ポプラの下に立ち想い続ける



ビル風が眠い強迫届けたり
  ぎりりと締まる昼下がりの赤



また沼に沈んで行ける我の脳
  この惨めさに如何に抗すべき



吹き狂う和解と芽生えねじ外れ
  陽気の昼の過剰な横溢



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