アケの四時影が声持つ狂い花
  子守唄呪う鬼婆のやうな



飢餓の風臭わぬ夏の日の後悔
  どうしてと問う唇乾いて



はたはたと磯の香りは死に急ぎ
  潰れた目玉ころころと転がす



読み難い小さな字ころ詰め合わせ
  弁当にした山登りの日



深夜濡れ本を庇いて道を行く
  芯まで冷えて尚も家路へ



呪詛込めて笑いと微笑乗せて読む
  君が忘れた一篇の萎縮!



苦笑い浮かべケーキを口にする
  何処へ落ちようも無い甘い憂鬱



誰も居ぬ街を歩きて星も無く
  向かう先無き見知らぬ両脚



生きらるゝことの無目と向かい合う
  砂を掬って渇き癒せず



噴火した永劫の中の一局面
  知らずにはしゃぐ愚者の王達



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