(くる )まった感知作用の束の渦
  啓示に既視感覚ゆる光



雑踏に消え行くひとつまたひとつ
  過ぎた祝いを何時までも祝い



暗黒夜生まるゝ光尚暗く
  惨劇はまだこれから始まる



(べに )を塗る分解しても残る目
  後悔の念は川に流して



分裂と自虐と冷笑混ぜ合わせ
  作ったビー玉の冴えた輝き



白い夜遠い桜を思い出す
  風吹き荒れる静寂の痛みを



灯の無い窓の空ろな青春



山の端の巨大な倦怠とオリオン座
  二つの色彩と真白い偶像



肋骨に潜り込んだ鳩ぐるぐると
  胃の痛む朝バラバラの巨人



苦痛にも似たる一時の法悦に
  血染めの醜い小指ねじれて



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